猫の恩返し

2002年夏、我らが愛する猫が映画になる。『猫の恩返し The Cat Returns』と題する映画は、お馴染み宮崎駿氏が3年前に企画をスタートさせたもの。原作を柊あおいに依頼し、『バロン─猫の男爵』が書き下ろされた。監督はジブリの新鋭、森田宏幸。

主人公ハルはどこにでもいる不器用な17才の女子高校生。ある日、一匹の猫を交通事故から救ったことで、猫の国に招待される。連日の猫の恩返し合戦の中で、ハルは「猫になってもいいかも」と思い始める。日頃から現実と向き合おうとせず、逃避しがちなハルに、猫の男爵バロンが語りかける。「自分の時間を生きるんだ」と。

私たちの心の中のハルは、バロンのことばをどう受け止めるのだろうか。