ルイス・ウェイン |
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イギリスのアーティスト、ルイス・ウェインは、猫のドローイングで著名である。19世紀末から20世紀初頭、彼の名は広く知られていたが、彼の死後、その名声は次第に薄れていった。1960年代、ロドニー・デイルの "Louis Wain: The Man who Drew Cats" の出版を契機に、ルイス・ウェインは再び関心を集めるようになった。画集が続々と発行され、1世紀前に印刷された使用済みのポストカードやウェインの挿絵の入った子供向けの本がオークションで高値で取引されている。 ウェインの略歴を紹介しよう。 ウェインは1860年、6人兄妹の長男、たった一人の男子としてロンドン郊外で生まれた。体が弱かったウェインは、10歳になるまで学校に通うこともできなかった。その間、ウェインは、家の中で夢見がちな生活を送る。学校でも物思いにふけるウェインは、アウトサイダー的な存在だったが、この頃、すでに画家への志が芽生えている。ウェインは、西ロンドン美術学校に進み、卒業後も2年間、同校でアシスタント講師を務める。20歳の時、父親が他界。ウェインは、母親と5人の妹たちの生活を支えなければならなくなった。生活の足しにと、ウェインは作品を新聞社や雑誌社に持ち込み始める。やがて、ウェインの作品は雑誌社のオーナーの目に止まり、スタッフとして迎え入れられる。この時期、ウェインは一番下の妹の家庭教師だった女性と恋に落ち、家族の反対を押し切って、10歳年上のエミリーと結婚する。だが、その幸せは長くは続かなかった。間もなくエミリーはガンに冒され、病床の人となった。ウェインが仕事に出ている間に、エミリーの慰めにと、黒と白の子猫を迎えたのだが、この猫、ピーターこそが、その後のウェインの仕事と名声の礎となるのである。 ルイス・ウェインの猫は、独特の目力がある。見る者の心を鷲掴みに掴んで離さない力がある。21世紀を迎え、世にアニメーションが溢れる時代にあって、ウェインの作品が改めて見直され、脚光を浴びるのは、他と一線を画した迫力ゆえなのではないだろうか。
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