田舎の風景と動物を描いたウォーレン・キンブルの作品は、アーリー・アメリンカンの香りを彷佛とさせる。古い建築資材の木に描かれた作品など、まさにフォーク・アートの流れを汲むものである。キンブルが描き出す親しみのあるのあるモチーフは、何の飾りもない剥き出しの木肌と、アクリル絵具・水彩絵具によるすぐれたテクニックにより、この上なく魅力的なものとなる。

キンブルの作品は、そのキャリアと飽くなき研究が生んだものである。シラキュース大学で美術を専攻。卒業後はまず広告業界に身を置くが、教職に転じる。小学校から教え始め、やがてヴァーモント州、キャッスルトン・カレッジの教授へと上りつめる。この広範なキャリアを通して、キンブルはアーリー・アメリカンの家具、建築物、フォーク・アートをこよなく愛し、理解を深めていく。その造詣の深さにより、キンブルはアンティーク・アメリカンの権威として尊敬を集め、 Vermont Antique Dealers Associationの理事長に選出された。

20余年ヴァーモントに暮らすキンブルは、夫人のロレインと共に、生活のすべてにアーリー・アメリカン・スタイルを具現している。住まいもそうなら、アトリエから生まれる作品もまた、アーリー・アメリカンそのものなのである。