この町:高円寺氷川神社(東京都杉並区高円寺南)
May 2003  by neco

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今回は、necoの仕事場の氏神様、氷川神社と猫たちを紹介しよう。


Cat Art Salon & Shop "NECOZANMAI" の入っているビルの北側の通りに出て東を向くと、こんもりとした神社の杜が見える。"NECOZANMAI" からわずか30秒、高円寺駅前からも1分というロケーション、高円寺名物の古着屋さんに囲まれた東南角に氷川神社はある。

【氷川神社縁起】
江戸名所図絵によれば、その昔源頼朝奥州征伐のとき武蔵国杉並の地に至り給う際、随兵の中に当高円寺村にとどまり終りに農民となる者あり…と記されている。
一説によれば村田兵部某云々ともいわれ(因みに村田姓は高円寺の旧家なり)[確かに村田一族は今でも高円寺周辺の地主さんです neco注]その当時武蔵国大宮高鼻の本社よりの御神意の使者が同氏に伝え、この高円寺村の位置高く燥松杉茂し遠く水田を望みて風致絶佳とされている当地に社殿を建立したのが起源といわれている。御祭神は素盞鳴命(すさのおのみこと)で国土開発、災難除けの信仰がある。氷川神社の御分社は約一千社あり関東地方が大部分を占めている。当社の創建された時期は不詳であるが、口碑によれば天文年間曹洞宗高円寺の創建と同時に剏祀されたといわれている。末社には気象神社、稲荷神社、御嶽神社、日枝神社が祀られている。
例大祭は毎年八月二十七日、二十八日に行われる。

高円寺の阿波踊りは、氷川神社の例大祭に合わせて毎年8月27、28日の二日間開催され、多くの人々を集めて例大祭も一層賑やかになる。
バンド、ダンス、演劇、そして古着屋の町、高円寺は、常に『若者の住みたい町』のトップにランクされるが、その中にあって、氷川神社の杜の緑は、目に清しい。しかし、コンクリート打ち放しの社務所は、いかにも高円寺らしい。

神社の東南の角に小さな駐車場がある。猫たちは、ここに置かれたブルーのフォードの下にいた。1、2、3、4匹…彼らの真ん中には誰が置いてくれたのか、山盛りに盛られた猫缶があった。猫たちは、それを囲むように、思い思いの場所に陣取っている。necoは持参したドライフードをそっと置く。
4匹は、逃げもせず、気も許さず、じっとこちらを見ている。それでも差出されたドライフードが気になるのか、茶トラがそっと腰を上げ、necoにではなく、他の猫たちに遠慮しながらそろりそろりドライフードに近寄る。この4匹の間には、上下関係がしっかり存在するようだ。ボスとおぼしきサバトラが動く様子のないことを確認し、茶トラはさらにお皿に近付く。すると向こうから白に茶がやって来て、二匹でドライフードを挟み、食べ始めた。

この白に茶は、間違いなく、ロッキーママの子供だ。大きな耳といい、白と茶色のプロポーションといい、額の柄といい、顔の作りといい、らーちゃんと瓜二つ。高円寺には、ロッキー一族がまだまだいそうだ。

今日もまた、ドライフードを持って神社に出掛けた。フォードの下には、昨日はいなかった白にサバトラの猫が一匹。
すっかり空になっていたお皿に、ドライフードを開ける。
necoが立ち上がり、その場を離れようとした頃合を見計らったようにお皿に近寄り、食べ始めた。
氷川神社の猫たちは、怯えてもせず媚びもせず、人間のルールではなく、猫たちのルールに従って、マイペースで生きている。痩せっぽちでなく、おデブでもなく、きれいな顔と毛を持つ、堂々とした猫たちばかりだ。

家はないかもしれないが、そんな彼らのしなやかな力強さに嬉しくなって オフィスに戻った。この30秒の散歩は、やみつきになりそうだ。