大挙してラブリー動物病院へ (H14.6.13)

久しぶりの連休!とはいえ、6匹のワクチン接種と2匹の診察のため、2日ともラブリー先生に通うことになった。

初日は、その時外出中だった『ロッキーママ』を除く5匹がワクチン接種。4匹を大型犬用のトラベルキャリーに詰め込む。詰め込んだはいいが、これが持ち上がらない。8.9キロの『ぬーちゃん』は、別のキャリーに入れたが、その他大勢も7キロ級揃い。二人がかりで引越荷物のようにしっかり腰を入れて車に運び込む。道中、全員まるで犬になってしまったように口を開けハーハーしながら鳴き続きけた。すれ違う車、後方に流れる建物の一つ一つを身を乗り出して好奇と歓喜の表情で眺めていた『ロッキー』の弟妹とは思えない情けなさだ。ラブリー先生のところに到着すると、1匹ずつ体重測定。「6キロ位あるのかな」という先生の言葉はみごと裏切られ、固太りの兄弟はいずれも7キロ前後。紅一点の『エリちゃん』は健康そのものだが、3.9キロと控えめな体重ゆえか、丁寧に触診してくださった。全員問題なし。ワクチンの注射にもピクリともせず、お利口でした。

翌日は、『ロッキーママ』のワクチン接種と『隣の宮沢さん』の目の経過診察、そしてこのところ急激に痩せた『らーちゃん』の診察。

『らーちゃん』は肥満気味に太っていたが、最近目に見えて痩せてきた。熱もないし、具合の悪い素振りもない。体も弾力に満ち、気艶も悪くない。それでもこの痩せ方は尋常ではない。もともと猫エイズ陽性だけに、心配でもあった。だが、これまでと様子が違っているのは食べ方だけ。以前のようにパクパクといかない。ほんの少し食べては、ベランダに出て行ってしまう。多少気にはなったが、結局お皿は空になっていたから、楽観していた。飢えから開放されてようやく余裕が出たからだと勝手に思い込んでいたのだ。この頃では、スプーンで食べさせてもらう『隣の宮沢さん』を横目に、『らーちゃん』までも「ぼくも食べさせ」てというような素振りをみせていた。冗談に口に運んであげると、鳥がついばむように食べる。なあんだ、『らーちゃん』も甘えたいのか。これも勝手な解釈。ここまで痩せてきて、ようやく真剣に食べる様子を観察してみると、やはりおかしい。歯が悪いか、口内炎か、いずれにしても口に問題があるに違いない。痛くて食べられないのだ。この予想はずばり的中。気づくのが何と遅かったことか。ほんとにゴメンネ、『らーちゃん』。歯肉は赤く充血し、歯槽のう漏はひどく、奥歯は歯根が見えてしまっている。奥歯は抜かなければならないとことで、次週入院することになった。それでも全身状態は良好で、理想的な肉付きだとのこと。減ったと思われる食べる量も、今が適量。肥満児を作り出すNeco家の食事の与え方のまずさを露呈する結果となった。

『隣の宮沢さん』については、あの嬉しい突然変異を報告。「安定剤のお世話にならなくても良くなったんです」という言葉に、先生は個室で落ち着けるようになったのだな、と思われたらしく、それに続く「個室ももういらないんですよ。普通の生活ができるようになったんです」という報告を聞くとびっくりされた様子。「それは良かった。そうですか、普通に暮らせるようになったんですか」と喜んでくださり、「去勢した効果かもしれませんね」と付け加えた。
目の経過も良好。目薬も一種類でよいことになった。

診察も終わり、カルテに書き込んでいた先生がふと振り返った。『らーちゃん』とおなじ小さなキャリーに大人しくおさまっている『隣の宮沢さん』を改めて見やって、先生は心配そうに一言。「『隣の宮沢さん』は幸い猫エイズも持っていなかったんですが、この様子では『ラッキー』君から感染してしまうかもしれませんね。」私の口から迷いなく出た言葉はこうだった。「仕方ありません。『隣の宮沢さん』は『らーちゃん』が育てたんです。他にいられる場所がないんです。」先生は黙って頷いていたが、おっしゃりたいことは沢山あったに違いない。私自身、本当にそうだろうかと、口にした言葉を改めて反芻していた。私は猫エイズの怖さを知らないのだろう。『マーちゃん』も『ファイト』も陽性だ。それでも長生きできている。これだけにしがみ付いている。猫エイズについてもっと調べなくてはと思いつつ、『らーちゃん』の胸に抱かれて眠り、『らーちゃん』の後をついて回る『隣の宮沢さん』の姿を思い起こしては、知ることが怖くなるのだった。