2006/12/31
追われ追われた2006年もあと7時間。
今年は、仕事に、家事に追われ通しで、息が切れそうな一年だった。
26日で仕事を終え、続く4日間は、必死の大掃除。
日頃の運動不足も手伝って、足腰がみしみし言っている。
やり残しはたくさんあるが、それでも何とか格好をつけて、恒例の大晦日のお墓参りも済ませることができた。
お気に入りのお蕎麦屋さんで年越し蕎麦を買って、あとは年越し魚……とスーパーに走ったが、お目当ての鰤は売り切れていた。
がっかりする気力もないほど、疲労困憊。
忙しいのは嫌いではないが、それにも限度がある。
息切れしていては、長くは走れない。
2007年……時間のやりくりが課題となりそうだ。
お正月の4日間は、今年のお詫びも兼ねて、猫たちとのんびり暮らしましょう。

皆様、更新もままならなくなってしまった『猫三昧』に変わらぬご支援をいただき、本当にありがとうございました。
新たなる年の、皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。

2007年も、どうぞよろしくお願いいたします。

2006/12/24

今日はクリスマス・イヴ。
都心ではクリスマスの雰囲気が盛り上がっているのだろうか。
私の生活空間では、ついぞクリスマス・ソングを耳にすることもない。
新築の杉並公会堂の前には大きなクリスマス・ツリーが飾られ、駅前や街灯にもイルミネーションが瞬いているが、それでも、今ひとつクリスマスの感が薄い。
ドタバタ続きで、クリスマスを迎える心の準備ができていなかったのも確かだが、それだけが理由とも思えない。
この辺りで目にするイルミネーションはことごとくホワイトとブルーに統一されている。
ホワイトとブルー……オシャレで美しいが、人為的で、よそよそしく感じられる。
何だか、今の世相を反映しているようだ。
クリスマスは、やはり緑と赤じゃなくちゃ!

クリスマスカラーは緑、赤、白の3色。
冬でも葉を落とさない樅の木とヒイラギの緑は永遠の命を表し、キリストの血の色、赤は愛、白は純粋さを意味するとか。
由来はともかく、こうした色使いには
人をあたたかく迎える温もりがある。

暖炉に火を焚くことは叶わないが、せめてクリスマス・キャンドルに火を灯して、猫を膝に抱き、家族揃って、あたたか〜いクリスマスを迎えよう!!

皆様、楽しいクリスマスを!

2006/12/17 またまた、ワースト記録を更新してしまいました。
前回の更新からなーんと半月経過。
この間、ちょいと大変だったのです。
母が未明に、頭が火事のよう、と訴えて、救急車で入院とあいなりました。
大事に至ることなく、精密検査の結果も異常なしで、結局原因もわからないまま、一週間で退院。
これまで、すぐに薬に頼りたがり、山ほどの薬を服用していた母ですが、入院先の主治医の指示で、薬は従来の3分の1に。
体調不良は、薬の飲み合わせだったのかもしれません。

その間、ぬーちゃんが再度一泊入院。
浣腸で、お腹の中を空っぽにしていただきました。
さらに、らーちゃんを感染源に、風邪が広がり、内2匹を病院に連れて行く騒ぎ。

慣れぬ家事と、仕事と、2つの病院を駆け巡る1週間。
栄養ドリンクで栄養剤を飲み続けて、無事、乗り切ることができました。

こうして、HPを更新できるのも、無事である証しです。
今、その幸せを噛み締めています。
2006/12/2 ぬーちゃんへの挨拶は、一日中変わらない。
「ウンチ出た?」
腰の関節が不安定で、それを補う為に仮骨ができてしまい、腸を司る神経に軽い麻痺が見られるぬーちゃんは、ウンチが出にくくなっているからだ。
以前は、大きな体からパチンコ玉くらいのまん丸い小さなウンチが2.3個出るのがせいぜいだった。
心配になる度に病院で診ていただいたが、お腹に便は溜まっていないとのことだった。
ところが、最近は、体に見合う立派なウンチが出るようになった。
あまりの大きさに、時折、お尻が切れてしまうこともあり、痛々しかったが、それでも大量のウンチを見れば安心だった。
だが、その大きなウンチがかえって問題だった。
朝、何度となくトイレに通うのはいつもの光景だが、その朝は、どんなに頑張っても出るのは、わずかな液状の便だけ。
決して下痢をしているわけではない。
ついに、疲れ果て、ぐったりと横になってしまった。
これは尋常ではない。
いよいよ巨大結腸症になってしまったか、と病院に走った。
レントゲンを撮ってみると、大きなウンチの塊が、腸の中で団子状に連なっている。
そして先端には、2つの塊が折り重なったものが詰っていた。
気張ったために、最初の塊が出ないところに、次の塊が押し付けられてしまったのだ。
レントゲンによると、ぬーちゃんの骨盤は未発達で、とても小さい。
これでは、本人の力ではどうにもならない。
結局、麻酔下で、鉗子で取り出していただくことになった。
ぬーちゃんは、今後病院食に切り替えなければならなくなった。
ウンチを大きくしないための、繊維質の少ない食事が必要だという。
一晩入院して家に戻ったぬーちゃんは、すっかり元気をなくしていた。
人一倍、人目を気にするぬーちゃんにとって、お尻をいじられる屈辱は耐え難かったのかもしれない。
その上、好きなフードも食べられない。
何とか、気持ちを晴らそうと、あれこれ試みる私に、済まなそうな視線を投げかけるだけで、キャットベッドから出ようとしない。
「今晩は一緒に寝ようね」
そう言い聞かせて床についたが、妙に胸騒ぎがして、なかなか寝付けない。
それでも、いつの間にかうとうとしたのだろう。
はたと目を覚ますと、私の足元に、約束通りぬーちゃんがいた。
2006/11/24 先日、いつもの通り、会社の外猫さんにご飯を準備していたところへ、折悪しく、このビルの管理会社のお偉いさんがやって来た。
給水設備の点検だとか。
私の足に体を擦り付けながら、ご飯を待っていた4匹は、蜘蛛の子を散らすようにフェンスの隙間に逃げていった。
「おはようございます」
私は、日頃の倍の愛想の良さで挨拶した。
そして付け加えた。
「見なかったことにしてくださいね」
お偉いさんとは初対面でもなく、その表情が強ばることはなかったが、「可愛そうじゃないの?」という一言の真意は計りがたかった。
ここの猫たちをすでに11匹家に連れ帰っていること、
この4匹は去勢・避妊も、ワクチンも済ませていること、
この4匹は、このビルの住人にも可愛がられていること、
この子たちがいなければ、他の猫がここに居着くこと、
そして、雨露がしのげるところがあり、食事さえ確保されていれば、家の中に閉じ込められた猫たちより幸せかもしれない、と、努めて冷静に答えた。
そのどれが、お偉いさんの問いの答えになったのか、或はどれも答えになっていないのか、分からない。
その人の次の言葉はショッキングだった。
「どこで死ぬの?」
ペット不可のビルの管理会社のお偉いさん、という立場上、やむを得ないとは云え、哀しかった。
「人目につくようなところでは死にません」
最期の時を看取ってやることのできない切なさを噛み締めながら、ぽつりと答えた。
2006/11/18
免許の更新に行った。
ゴールドだから、5年振りの更新だ。
都庁での更新手続は思いのほかスムーズで、気分も上々。
だが、それも、新しい免許証を受け取るまでのことだった。
出来上った免許証に写る自分の顔を一目見た途端、暗澹たる気持ちになった。
私は、写真は撮れど、撮られるのは大嫌い。
撮られ下手だからだ。
だが、免許証の写真の顔のまずさは、撮られ下手が原因ではない。
美しく、などとは毛頭考えていないが、その顔は、何とも疲れて見えた。
パンチ穴の開いた前回の免許証と見比べてみる。
生え際が薄くなっているのは、前回も同じ。
生来ズボラな私は、面倒臭くなると、顔も洗わず寝てしまうこともしばしばだったが、このところは、夜の洗顔と歯磨きは欠かさず、お肌の手入れにも精を出していた。
ああ、それなのに……。
これだけなら、諦めもする。
問題は、写真から推し量られる本当の胸の内だ。
この5年の間に、私は、ライフワークと信じているこのHPを立ち上げた。
つまり、自分の生き方に背骨ができた。
それと引換えるように、高望みやないものねだりと縁が切れた。
この5年、充実もしていたし、満足もしていた。
はすだ!
それが、この疲れたような、うら悲しいような顔???
ともかく、生気がないのだ。
充実感や満足感は、ないものねだりを封じ込めるためのウソッパチだったのだろうか。
心底満足しているなら、こんな顔にはならない。
はずだ!
私は、自分の気持ちに折り合いをつけることが、ちょっぴり上手になっただけなのかもしれない。
もう一度、正直な自分の気持ちを聞いてみる必要がありそうだ。



都庁の裏庭も寒々しかった。
2006/11/12 忙しい、忙しいと言いながらも、毎月最初の連休は、一泊旅行に出かけている。
昨年は、おばあちゃんの体調が思わしくなく、ほとんど旅行ができなかった
から、今年の旅行の喜びは一入だ。
猫たちも含めた家族全員の健康に感謝。
出かけられる平穏な日々に感謝。
今回は、紅葉も見頃な日光に出かけた。
行きがけに今市にある竹久夢二美術館に立ち寄る。
この美術館は、鬼怒川温泉の旅館の女将の私設美術館だ。
農家から旅館に嫁ぎ、堪える日々の連続だった若女将は、竹久夢二の絵に出会う。
描き出された、じっと堪える女、けなげに待つ女たちに、若女将は励まされ、勇気づけられたという。
それがきっかけで始めた夢二の作品のコレクションは、小さいながら立派な美術館を作り上げるまでになる。
夢二と言えば、黒猫をしっかりと胸に抱く『黒船屋』を思い浮かべる。
残念ながら、『黒船屋』はここにはなかったが、たくさんの女性に出会うことができた。
はにかむ少女もいた。恥じらう乙女もいた。
堪え、待つ女ばかりではなかった。
ほっとして、うれしくなった。
一枚一枚に描かれた女たちそれぞれの胸の鼓動や、裸足のつま先の感触が伝わってくる。
血の通った竹久夢二という人に出会ったような気がした。
夢二縁の『港や』という名のミュージアムショップで、袋二つ分のお土産を買い込んだが、やはり、ここにはない『黒船屋』の絵柄もものばかり。
しかたがないですよね。猫好きなのですから。

  

2006/11/3 neco家の猫の勢力図が大きく変わった。
このところ、台頭してきたのが、らーちゃんとゴンちゃん。
これまでトン、ニセドのチョッカイの的にされていた2匹だ。
勢力を伸ばすと言っても、2匹からケンカを仕掛けることはない。
ただ、長年、トン、ニセドに手出しされても、歯向かうことがなかったのに、何を思ったか、2匹同時に背中を見せなくなったのだ。
いつもの調子ですれ違い様にひょいと猫パンチを繰り出したトン、ニセドは、くるりと向きを変え、グイと頭をもたげ、眼光鋭くにじり寄ってくる2匹に、図らずも、じりじりと後ずさりをすることに。
長年鬱積した我慢が一旦弾けると、もの凄いエネルギーとなる。
らーちゃんであれ、ゴンちゃんであれ、体中の毛を逆立て、尾を膨らまし、低い唸り声と共に、トン、ニセドを隅へ隅へと追いやっていく。
お調子者のトン、ニセドにしてみれば青天の霹靂。
『信じられな〜い』といったところだろう。
この形成逆転の裏側には、人間が間接的に絡んでいるように思う。
らーちゃんが力を持ち始めたのは、加齢による腎臓機能低下を案じ始めたころからではないか。
残された時間を考えるようになると、自然に抱き寄せることが多くなる。
一方のゴンちゃんは、数年振りのお医者さん行きがきっかけだ。
あれほど嫌がっていたのに、家に戻ってからは、大粒の薬も大人しく飲んでくれる。
勢い、なだめすかし、褒めそやすことが多くなる。
人間の関心が自分により多く向いている、という自覚が、気持ちを大きくするのだろうか。

相変わらずスプレーの直らないトンちゃんには、ことのほか、気を掛けているというのに、こちらは一向に改善の兆しが見えない。
2006/10/27 ゴンちゃんの声が出なくなった。
ゴンちゃんの地声はおよそ見掛けと掛け離れている。
去勢した雄猫には珍しい程、横幅の広い、大きないかつい顔をしているのに、その声は甲高く、まるで幼い女の子のような愛くるしさだ。
ところが、一週間ほど前、突然一オクターブ下がった。
低く、ざらついたドラ声……6歳半になる猫が変声期でもないだろう。
熱があるわけでもなく、食欲も変わらず、得意げに柱に上って見せる。
外見は至って健康。
だが、日頃、猫に対して過敏に反応しないおばあちゃんが、喉に何かできたのでは、と心配しきりだ。
その心配がパワーとなって、ゴンちゃんをお医者さんに連れて行くことになった。
実は、ゴンちゃんは超恐がりで、最後にワクチン接種に連れて行ったのは4年前になる。
その時も、キャリーの中で、まるで虐待されているような声を上げ続け、病院へ向う途中で卒倒してしまうのでは、と不安に苛まれた。
以来、用意されたキャリーを遠目に見るだけで逃げ回る始末。
大きな体のゴンちゃんを捕まえることは、不可能に思えた。
不可能を可能にするのは、こちらの信念。
今回は、おばあちゃんと息子の二人がかりで、ゴンちゃんをネットに入れることに成功。
ネットに入れられると普通は諦めるものだが、ゴンちゃんは、ネットに入ったままで、走り続けたという。
ネットごと、キャリーに入れてどうにか病院に辿りついた。
思うように出ない声のお蔭で、「隣の家は、猫を虐待しています」という通報もされずに済んだ。
病院では、借りてきた猫になったらしく、おとなしく口を開けて喉を診ていただいた。
どうやら原因は、しばらく前のトンちゃんとの取っ組み合いのケンカだったようだ。
その時、喉を潰すような声を張り上げたのだろう、とのこと。
お蔭で、4年振りにワクチンを打つことができた。
やれやれ……
2006/10/21 高脂血症と診断されて2ヶ月。
おとうさんが率先して野菜中心の食事に切り替えてくれたお蔭で、体重は最初の1ヶ月で2キロ減った。
卵なし、油なし、お肉なし、デザートなし、あまり好きではないお魚とてんこ盛りの野菜。
いつも腹6分目の感じだが、週に一度のお休みは、何でもありにしているから、
さして苦にもならない。
中性脂肪の数値も急降下しただろうと、血液検査も兼ねて病院へ出かけた。
「どう?指導通りの食事はしてる?」
「はい、お蔭で体重も2キロ減りました」
「ふ〜ん。じゃあ、あと4ヶ月したら、また検査してみましょう」
「えっ?今日は検査しないんですか?効果は出てると思うんだけど‥‥」
「ケーキ三昧の暮らしを50年も続けてきたんだよ。2ヶ月やそこらで直るなら、だれも脳梗塞にならないよ」
「はあ……」
この先生の物言いにカチンときたが、もともと中性脂肪が高かった私に、厳しい食事療法を課した初めての先生だから、良い先生、ということになるのだろう。
先生の一言は、何クソ!と決意を新たにさせてくれた。
このところ、食事に対する緊張感も掛けてきたし、そのせいか、体重も一向に減らなくなっている。
耳に心地良い言葉を聞かせてくれない先生に、ほぉーと言わせることを楽しみに、頑張んべえ。
2006/10/14 毎朝、会社ビルの裏手の掃除をしているのだが、この1ヶ月は、ぐっと短時間で終わる。
というのも、蟻の姿が見えないからだ。
蟻が活動する時期は、踏まないよう、ほうきで掃き取らないよう、中腰をさらに低くし、目を皿にして、わずかずつ掃き進めていくから、完了した時には、しばらく腰が伸びない。
ところが、蟻は、ある日を境に、突然姿がなくなる。
その不在感はとても大きい。
冬でもないのに、命のない季節を迎えたような気がする。
ちょうど同じ頃、短い地上での生活を終えた蝉が、そこここに仰向けで転がっているから、なおさらそんな気分になるのかもしれない。
そして、今は、コンクリートは灰色一色。
もうじき、落ち葉が思い思いの色彩で、模様を描くだろう。
コンクリートの地面にも、季節感はあるものだ。
2006/10/8 水曜日の夜12時のこと。
ぽーぅ、ぽーぅ
鳩のようなくぐもった声が、弱々しく響いてきた。
これはまぎれもないシマダチュウタロウの声。
南側の木戸の辺りから聞こえてくる。
シマが外にいる?そんなバカな……
忍び足で玄関を出ると、慌てて木戸をくぐる長い尻尾の先が見えた。
シマだろうか、それとも他所の猫?
シマだとすると、脱走したわけだが、一体どこから?
家に戻って、脱走箇所を探す。
お風呂の窓だった。
換気ロックを掛けて、わずかに開けてあったのだが、
その隙間が、丁度猫の体の幅に広がっている。
無惨に破れた網戸越しに、秋の夜風が舞い込んでくる。
誰かが無理に体を入れて、ロックをずらしたのだろう。
だとすれば、一体何匹脱走しているのだろう。
点呼を取ると、4匹足らない。
トン、宮沢さん、シマ、モナコだ。
脱走のトップバッターは、一番体の小さいモナコに違いない。
常に脱走の機会を狙っているニセドとエリちゃんは、
2階で眠っていて、この絶好のチャンスを逃した。
寝静まったご近所を憚り、声を殺して4匹の名前を呼びながら歩き回ること1時間。
ようやくトンを捕まえて連れ帰った。
その後わずかで宮沢さんが玄関先に現れた。
もう十分楽しみました、と言わんばかり、素直に家に入った。
宮沢さんに始終付きまとっているシマも、その後を追った。
残るはモナコ。
モナコと会社の外猫のズレータは、姿も中身も良く似た兄妹で、その行動も心情も予測不可能。
どこで、どんな思いでいるのか、見当もつかなかった。
さらに1時間待ったが、鳴き声はおろか、気配さえしなかった。
夜中の探索は諦め、朝を待つ。
細い鳴き声が、ウッドデッキの下から聞こえてきた。
名前を呼びながら木戸を開けると、ウッドデッキの下でうずくまっているモナコの姿があった。
そして、伸ばした私の腕に怯えることなく、無抵抗に抱き取られた。
これまで、逃げはしないものの、一定の距離を保ってきたモナコだが、以来、その距離が随分短くなった。
今まで乗ったこともないアームチェアで眠り、撫でられるに任せ、ついには、遠慮がちにゴロゴロと喉をならす。
可愛い子には旅をさせよ、ということか。
2006/10/2

ちょっと・いい・はなし

先日、NECOZANMAI を訪ねてくださったYさんから伺ったお話です。

Yさんがお墓参りに出かけた時のこと、1匹のイグアナに出会った。
かなり弱っている様子で、陽当たりのよい墓石で体を暖めていたのだ。
猫はもとより、動物をこよなく愛するYさんは、迷うことなくイグアナを家に連れ帰った。
葉っぱを与えている内に元気を取り戻したイグアナは、実は大変攻撃的であることが判明。
捨てられてしまった原因はここにあったのだと納得したが、どうにも手に負えず、獣医師に相談した。
2メートルにもなるイグアナのこと、このままでは飼育は無理とのこと。
安楽死を勧められた。
不憫ではあるが、他に選択肢がないのなら、と気持ちを決めようとしていたところ、息子さんが、一週間時間をほしい、と申し出た。
イグアナは、独立して住まう息子さんに引き取られた。
約束の一週間後……息子さんが満面の笑みを浮かべて実家に顔を出した。
イグアナの信頼を得られそうだという。
体中の生傷が、一週間の試行錯誤を物語っていた。
息子さんとイグアナの二人暮らしは続いた。
ある時、息子さんは出張に出ることになった。
久しぶりに家に戻ると、玄関に立つ息子さんをめがけて、何とイグアナが突進してくる。
一週間の不在の間に、すべてが逆戻りしてしまったのだろう。
息子さんは身構えた。
イグアナは、息子さんの両肩に両手を掛けた。
そして……
イグアナは、そっと息子さんの胸に顔を埋めたという。

2006/9/28 我が家のニャンたちは、このところ殺気だっている。
寝ていても、いつ寝首をかかれるか知れないから、眠りは浅いことだろう。
この一連の騒動の70%の火元がニセドとトンと宮沢さん。
宮沢さんは自分から手を出すことはないのだが、一旦逆鱗に触れると、執念深くどこまでも追い続ける。
残りの30%がエリちゃん攻撃だ。
レオナ&こえりは意味もなくエリちゃんを追い掛け、トンちゃんまでもが参加する。

どの局面にも絡んでいるのはトンちゃんで、いつも自分から仕掛けているのだが、そのお腹は傷だらけ。
弱虫なら大人しくしていればいいものを、neco家一番のやんちゃ坊主は、今日も誰かを狙っている。

ところがそのトンちゃん、最近、スプレーが止まらない。
またやられた〜、という敗北感がスプレーになるのだろうか。

今日の更新のお題は、『スプレーの解決法』。
心して実践して、良いご報告ができるといいのだが。
2006/9/22 前回の更新から、またまた8日。
でも、ようやく仕事の目安がついてきました。
それにしても、今回の忙しさは並ではなかったなあ。
目を三角に吊上げて、頭から湯気出して……
こういう時は、膝に乗った愛猫の温かさや、柔らかさも、なかなか心の芯に届かないものなのですね。
ほんの少しでいい、ゆとりのかけらが残っていないと、他を慈しむこともできなくなってしまうものだ、と痛感しました。
夕べ、帰宅して見上げた夜空……
一体何日、お星様になった猫たちに挨拶を忘れていたことか。
忙しいことは幸せなことだけれど、文字通り、「心」を「亡くす」までになってはダメ!
そう云えば、眠るときは必ずそばにいるはずのエリちゃんが、ここしばらくは、パパにべったりとくっついていたっけ。
余裕のない私の傍では、きっとくつろげなかったのでしょう。
仕事が減らないなら、ハートの容量を増やさなきゃね。
自分の為にも、回りの人の為にも、猫たちの為にも。
2006/9/14 前回の更新から、何と12日も経ってしまったのですね。
頭から湯気を出しながら頑張っても、仕事が溜まる一方で……
その間に外の気配はすっかり秋。
朝な夕な耳に届く虫の声は、日増しに大きく、澄んでいきます。
物悲しい季節ではありますが、私にとっては嬉しくもあります。
長風呂ができるんですもんね!
つまり、読書タイムができるということ。
私の読書空間は専らお風呂ですから、夏の間は、本と縁遠くなってしまうのです。
いくら水でお湯の温度を下げても、夏の最中に長風呂できるものではありませんもの。

窓を全開にして、ひやりとした外の風に吹かれながら、虫の声を、時には雨の音をBGMに、湯船に足を伸ばして本を読む。
誰にも邪魔されずに、好きなだけ……
私にとっては最高の贅沢です。

みなさんも、一度お試しあれ。

我が家の芙蓉の花です。
朝、白い花も昼を過ぎると薄紅色に色づき始め、
その色は次第に濃くなり、夕刻にはポトリと落ちてしまう……。

2006/9/2 猫トイレの中に動かぬ猫影……
振り向くと、な、な、なんと、エリちゃんがごろりと横になっている。
ど、ど、どうしたの〜?
と、声をかけると、悪びれるふうもなく、起き上がり、砂を掻いて用を足した。
昨日もトイレで寝てたのよ、とおばあちゃん。
エリちゃん、ついにご乱心なのだろうか。

夜は、私達に守られるように一匹で二人を占領して眠るエリちゃんだが、ひとたび二人が起き出せば、平和な時間も空間も終わり。
後から後からやって来る猫たちにベッドは追い出され、レオナ、こえりちゃんには、猛烈な勢いで追い回される。
一人で安心して居られる場所はクロゼットだが、夏の2階のクロゼットに、ずっと閉じ込めておくわけにもいかない。
クロゼットに居られるのは、出勤前のわずかな時間だけ。
もう出なさい、と扉を開けると、慌てて隅っこに身を隠す。
可愛そうだが、無理矢理引っぱり出すしかない。
最近、宮沢さんやらトンちゃんやらにチョッカイを出されっぱなしのニセドも、そのムシャクシャをエリちゃんにぶつけるし、トンちゃんは、エリちゃんをからかって追い掛ける。
逃げる一方のエリちゃんは、みんなの格好の標的なのだ。
かろうじて、階下の押入に逃げ込んではみても、気は抜けないに違いない。
そんなストレスが、トイレでごろんと寝そべる奇行に走らせたのだろうか。
この苦境をどう乗り切るのか、注意深く見守るしかなさそうだ。
2006/8/29 最近、ロッキーママが自室を空けることが多くなった。
夜、何度となく部屋を除いても、もぬけの空。
朝はいるだろうと、起き掛けに見に行っても、姿がない。
最期の時を迎える場所を探しに行っているのだろうか。
歳も歳だから、心配が膨れる。
その上、大きな声で鳴き続けることもしばしば。
でも、ご飯はちゃんと食べているのだから、と自分を納得させていた。

ジロちゃんが来なくなって一月以上。
ジロちゃんのおじさん(飼い主さん)によると、それまであまり寄り付かなかった家に、日に何度も帰ってきては、しっかりご飯を食べていくという。
きっと、ロッキーママが意地悪をしたに違いない。
ロッキーママには、ジロちゃんが居なくて寂しいんでしょ、とからかっていた。

そのジロちゃんが、昨日、ひょっこりやって来て、何事もなかったようにご飯を山盛り食べていった。

昨晩、ロッキーママは自室で安心しきったように眠り続けた。
あの大泣きも聞こえない。
今朝も、自室で朝寝坊。
もしかしたら、ロッキーママはジロちゃんを探していたのかもしれない。
2006/8/24 サラリーマンを辞めてもう9年。
その間、一度も健康診断なるものを受けていない。
もっとも、持病持ちで、病院にはお世話になっている。
一病息災とは私のこと、と思っていたが、血液検査の結果、中性脂肪と悪玉コレステロールが看過できないほど多いと脅かされた。
食生活を改善するために、栄養指導を受けることに。
どうしてえ〜?
塩気も辛味も苦手なら、冷たいもの・熱いものも苦手。
肉・魚より野菜の煮たのが好き。
理想的な嗜好と自負していたのに……。

でも、正直言って、私の大好物は、タバコとバターと洋物デザート。
体に悪いとは思っても、大好物となると無意識に意識から除外されるらしい。

菜食は、ウェルカムだけど、タバコがねえ〜。
取り敢えず、半分に節煙することにした。
それから、極端な運動不足は、会社の階段の上り下りで解決しようかと……
16匹の母ちゃんとして、頑張らねば!
また、ご報告いたします。
2006/8/19

らーちゃんの水飲みと大量のオシッコは相変わらずだ。
一人特別にお皿にあけてもらう腎臓ケアのご飯にも、大部飽きてきた模様。
らーちゃんの水飲みが気になりだしてから、夕食後の一休みの時間、らーちゃんを膝に乗せて過ごすようになった。
よほど嬉しかったのか、今ではちゃんと時間を見計らって自分から膝に乗ってくる。
昨晩は、夕飯の片付け前に膝を占拠。
後片付けは私の仕事だから、いつまでも膝に乗せているわけにもいかない。
「ちょっと待っててね。お皿を洗っちゃうからね」と言って聞かせて、大きなゴロゴロを言いながらしがみ付いているらーちゃんを下ろす。
私はどもう手ノロなのか、食器とキッチンの後始末に30分はかかる。
その間、らーちゃんは、キッチンの入口で、じっと私の顔を見つめながら待っていた。
その表情はやわらかく、穏やかそのもの。
居間の椅子に戻ると、さっそくらーちゃんもやって来た。
隣の椅子にはママ大好きで、焼きもち焼きのぬーちゃんが居る。
だが、そのぬーちゃんは、ママの膝に乗っているらーちゃんを見て見ぬふり。
大きなゴロゴロも聞いて聞かぬふり。
私がらーちゃんを抱く訳を、本能的に知っているのだろうか。
それとも、目下のところは我慢中で、後でまとめて報復するつもりなのだろうか。

らーちゃんを膝に乗せたわずかの時間は、「今」に感謝する時間。
そして私は、その時間を持てることに感謝している。

2006/8/14 残暑お見舞い申し上げます。

みなさま、お変わりなくお過ごしでしょうか。
30℃を越えているとは云え、どことなく陽射しがまろやかになっているような気がします。
今年は短い夏なのでしょうか。

久しぶりに2泊3日で、電車に乗って、伊豆下田に行って来ました。
お盆を外したとはいっても、ホテルは超満員。
プールもお風呂も超々満員。
でも、三世代で旅行に来ている家族が多いことが嬉しく、忘れかけていた子供達の歓声も耳に心地よく響きました。

それでも、2日目になると、話題は留守番をしている猫のことばかり。
ケンカをしていないだろうか、エリちゃんはどこで寝ているだろうか。

帰宅した晩、エリちゃんは、おとうさんにぴったりと寄り添い、死んだように眠り続けました。
防波堤ならぬ、防猫堤たるおとうさんが居ない二晩、満足に眠っていなかったのでしょう。

これでまたしばらくは、旅に出ても1泊になりそうです。
2006/8/8 このところ、neco家で流行っているのが、点数制。
言い出しっぺは、おとうさんだ。
帰宅したときに、玄関まで出迎えに出て来たら100点、食事の時、隣にちょこんと座ってお付き合いすれば100点、という具合だ。
この点数制、もっぱらエリちゃんに甘く、得点は湯水のごとく与えて、減点は10分の1くらいだから、エリちゃんの点数は溜まる一方だ。

エリちゃんは、外に出たくて、常日頃から隙を狙って脱走をたくらんでいる。
おばあちゃんが洗濯物を干すときは、脱走の絶好の機会だったが、昨年から私が洗濯係になって、チャンスががくんと減った。
ところが、昨日、久しぶりにおばあちゃんが洗濯物を干しにベランダに出た。
脇の甘いおばあちゃんのこと、窓は開けっ放し。
この千載一遇のチャンスをエリちゃんは逃さなかった。
ミニーマウスのついた赤いパジャマを着たまま、ベランダから物置の屋根に飛び降り、姿をくらました。
家人の心配をよそに、帰ってきたのは午後3時。
暑い最中、パジャマを来たままのご帰還だった。

この日のエリちゃんの減点はさすがに100点だったが、おばあちゃんには減点300点が付いた。
2006/8/5 このところ、らーちゃんの水飲みが目立つようになった。
私が日頃居間にいる時間は、一日の内せいぜい2時間あるかないか。
その間に、長々と水を飲み続ける姿を一度ならず見かける。
多飲多尿は、腎臓が弱った証拠。
それは残された時間がさほど多くはないことを教えている。
さっそく腎臓疾患用の療法食に切り替えた。
ドライフードをあまり食べないらーちゃんだが、自分一人のための特別なご飯、と思ってか、そこそこ食べてくれている。
それにしてもらーちゃんは一体いくつなのだろう。
猫たちがいつかは辿る運命とは云え、水を飲み続ける後ろ姿を見守るのは辛いことだ。
水を飲み終え、音を立ててオシッコをして、砂をかけずに出てくるらーちゃんを、私は抱き上げる。
らーちゃんのお腹を私の胸にぴったりとくっつけると、らーちゃんの人一倍大きいゴロゴロが始まる。
そして、濡れた鼻先を私の首筋に擦り付ける。
そんな二人の姿を、「ママ大好き』のぬーちゃんがじっと見つめている。
このところ乳離れしたように、私の後を追わなくなっていたが、今朝は、行く先々に、トイレにさえ、付いて歩いていた。
らーちゃんは、虐められっ子だから、ぬーちゃんの標的にならないようにしなければ。
でも、でも……
らーちゃん、今夜もだっこしようね。
2006/7/30

ニセドは『惣領の甚六』の風貌は備えているものの、面倒見が良いわけではないから、弟妹にも新入りに慕われることがない。
これまで大きな体を武器に、気紛れに猫パンチを繰り出して、長男の沽券を辛うじて保って(と本人は思って)いたが、最近は、宮沢さん、ゴンちゃん、トンちゃんから逆襲され、逃げ惑う始末。
昼間は2階の自室でふて寝していることが多かった。
ニセドのたれ目を見ていると、可笑しさと不憫さがごちゃまぜになって、せめて人間だけでも可愛がってあげようと暗黙の了解が成立。
我が儘を許し、甘えるだけ甘えさせてくれることに味をしめたニセドは、2階の自室を捨てて、日がな1階で暮らすようになった。
さらに、夜は、おばあちゃんのベッドに潜り込む。
それはまずいよ、ニセド!
そこは宮沢さんの指定席なんだから。
エキセントリックな宮沢さんが見逃すはずもなく、宮沢さんはニセドをどこまでも追い掛ける。
2階のベッドの下に身を隠せば、出てくるまでベッドの上から見張っている。
昼夜を問わず、繰り広げられるドタバダ劇に、おばあちゃんは寝不足だ。

この2匹の戦闘は、他にも波及していき、目下neco家は収拾がつかない。
お日様の姿が見えない長梅雨は、人の心ばかりでなく、猫の気持ちまでネガティブにしてしまうらしい。
今日は、梅雨明けを思わせる太陽が照りつけている。
熱中症はこわいが、気持ちは気圧と連動して晴れやかだ。
雨も暑さもほどほどに願いたい。

2006/7/27 今週から来週にかけて、日本は次々に梅雨明けしそうだ。
豪雨の大きな爪痕を各地に残しながら……。

このところのしのぎやすい気温のお蔭で、人間は一心地つき、会社の外猫たちや、ロッキーママは食欲を取り戻した。

さてさて、neco家には大変化が起こりつつある。
これまで2年にわたって『手を触れるべからず』と主張してきたこえりちゃんが、近頃、条件さえ整えば、撫でさせてくれるようになったのだ。
その条件とは、『ご飯をくれれば』である。
ドライフードをお皿に開けながらだと、何と触り放題。
最近は、ドライフードの袋を左手に持っていさえすれば、お皿に開けるまでもなく、触ってもよいことになった。
「触ってもよい」どころか、「触れ!」と要求しているようでもある。
撫でても撫でても、もっと、という具合。
撫でてもらう感触の良さに味をしめたのだろう。
それなら、条件などひっこめて、いつでもOKにすればいいのに、
どうやら、こえりちゃんのプライドが邪魔をするらしい。
あくまで『ご飯をくれれば』なのである。

そう言えば、こえりちゃん、なんだか急に太ってきた。
ご飯をねだる回数が異常に多いのだ。
撫でてもらうために、無理してご飯をねだっているきらいがある。

ナルシストでもあるこえりちゃん。
さあ、どちらを取る?
プライド?それとも流れるような体の線?
2006/7/21 みなさんご無事でしょうか?
被害に遭われた方には、心よりお見舞い申し上げます。

このところ、仕事に負われて、更新が週に一回になってしまいましが、この一週間に起こったことの凄まじさ……
インドネシア在住の友人がいるのですが、彼の地では洪水に次ぎ、5300世帯を巻き込む大火事が襲い、さらに地震と津波。
それを案じていたところに、今度はこちらが未曾有の大雨と土石流。
自然の力を前に、人の無力を儚むばかりではいけないところまで来ているような気がします。
地球の怒りを鎮める手だてを、日々の小さな行いの一つ一つの中に見つけていかなければならないと……
かつて大前研一氏が、どこかで言っていました。
紙を一枚捨てるたびに、一本の木が切り倒されることを想像せよ、と。
想像力が私たちの無駄を自然に止めてくれるかもしれません。

そうそう、私達の身近には、猫という素晴らしい先生がいるのですよね。
2006/7/14 昨日、今日と日本全国猛暑に見舞われているようですが、みなさん、お変わりありませんか?
neco家は、一家総バテ状態です。
その1:おばあちゃんが早くも夏バテで点滴騒ぎ。
その2:ロッキーママがこのところほとんど食べず、精密検査。
その3:人間の病院と猫の病院をはしごしていた私も夏バテ。
その4:そんな家族を見ていたお父さんも夏バテ。

おばあちゃんの夏バテは、年甲斐もなく、ワールドカップ寝不足がたたったもの。
夏の暑さに寝不足は絶対ダメですよ!
ロッキーママの精密検査の結果は、どっこも異常なし。
とは云え、強制給餌用の缶詰を白湯でといて、注射器で給餌(給仕?)中。
心配したり、一安心したりで、ホント、疲れました。

おばあちゃんがノックダウンすると、私の一日は朝5時から始まる。
暑さと翌朝を考えて10時半にはベッドに入ることに。
でも、お蔭で、長年の睡眠障害が緩和した模様。
5時起床も、悪くはないかもしれません。
2006/7/9 なんと、なんと、10日振りの更新です。
確かに忙しかったのですが、主な理由はキーボードの不具合。
飲み終えたジュースのパックを捨てようと、ぎゅっと握ったら、挿しっぱなしのストローからジュースが飛び出してきたのです。
底に残っていたのでしょうね。
その雫がキーボードに。
ちゃんと拭いたのですが、しばらくしてキーボードを叩くとc,v,b,n,m が麻痺状態。
ローマ字入力の場合、cとnとmをやたらに使うことに気づかされました。
以前のキーボードは、ちゃんとカバーを掛けていたから、こんな事故もなく、8年使っても新品同様だったのに……。
カバーを掛けない時に限って、事故は起こるんですね。
今回のボードは、1年で交換となりました。
その間、更新もお休みしちゃったというわけです。

10日の間に、自然は移り変わっています。
今朝、庭先に割いたピンクの桔梗をご覧あれ。

2006/6/29 梅雨の晴れ間、玄関脇においてあるロッキーママの家の大掃除をすることにした。
ママは目下、ログ犬舎と大型犬用のキャリーの2つを気の向くままに使っている。
今回の大掃除はキャリーの方だ。
ビスをすべて外して、分解。
水できれいに洗って組み立てる。
たかがこれだけのことだが、真夏のような陽射しに汗まみれになる。
額や首筋からぽたぽたとしたたり落ちる汗が、玄関前の乾いたタイルに水玉模様をつくる。
汗が目に入り、ネジを刺す場所も定まらず、ドライバーを持つ手も滑る。
汗をぬぐおうと身を起こす。
と、傍らの草の上に寝そべって、じっとこちらを見つめるママを発見。
いつからここにいるのだろう。
まるで、私の仕事ぶりを監視しているような風情だ。
はい、はい、がんばります。
2006/6/25 決勝リーグに進めず、あえなく終わってしまったワールドカップ。
それでも、スポーツ好きのneco家のテレビは一晩中ワールドカップを映し続けている。
夜中幾度となく目を覚ますたびに、ひとしきり強豪チームの試合を観戦。
リズミカルなパス回しと、絶妙なアシスト、果敢なシュートをため息まじりに眺める。
寝ているのか、いないのか、こんな生活が半月も続き、気がつけばほっぺたが腫れていた。
歯が炎症を起こしてしまったようで、歯医者さんに飛び込む。
日中居眠りなどしたことはないのに、待合室で待っていた40分、ほとんど意識がなかった。
寝なくちゃ、とは思うが、決勝戦が終わるまで、この不健康な日々は続きそうだ。
でも、お蔭で、猫たちに夜中の時間割があることもわかったし……
まあ、いいか……
2006/6/19 梅雨時には、我が家の玄関までの長〜い通路は下を向いて歩かなければならない。
ビックリするほど大きなカタツムリやナメクジが、のんびりと歩を進めているからだ。
帰宅する時間が遅いから、身をかがめて目をこらし、間違っても踏まないように一歩一歩慎重に歩いていく。
端からみたら、とても怪し気な光景に映ることだろう。
昨晩も、雨のそぼ降る中、立派なカタツムリさんを発見。
以前触れなかったのが不思議なほど、何のためらいもなく手が伸び、カタツムリをアジサイの根本に引越させた。
我が家の庭の仲間との出会い……とっても満ち足りた気分……
梅雨もやっぱり悪くない。
2006/6/15 鬱陶しい梅雨……
日照時間が極端に短かった5月から、陽射しのない薄墨色の空にすっぽり覆われているような気がする。
明るい陽射しは恋しいものの、うだる暑さを思うと、てるてる坊主を作る気にもなれない。
猫たちもイライラするのか、このところ一際ケンカが目立つ。
昨日、3匹を予防注射に連れていった。
年に一度の健康診断の機会でもある。
ニセドは、唇の内側に化膿した傷があった。
ケンカして爪が入ったのだろう。
らーちゃんは、犬歯がぐらついてきている。
来週、抜歯することになった。
サッカーも負けるし、なんだかなあ……

でも、今年、我が家のあじさいはいつになく美しいのです。

2006/6/10 映画ダ・ヴィンチ・コードは、目下第一位の人気を得ているようだが、観賞後の評価は、ずいぶんとまちまちのようだ。
だが、『読んでから観るか、観てから読むか』ということについては、多くが『読んでから観る』派。
ところが、その本も、これまた感想がバラバラ。
読んでから観て、後悔することの多かった私は、このところは、観てから読むことにしているのだが、今回ばかりは、読んでから観ることにした。
この数年、読むものと言えば猫ものばかりだったから、はたしてぜんぶ読みきれるかと、文庫本を上中下一冊ずつ買い求めることにした。
ところが、老眼鏡と本をもってベッドに入ると、10行も読まないうちに睡魔に襲われる。
睡魔と闘いながら読み進めているつもりが、気がつけば、メガネは掛けっぱなし、半身の姿勢で眠り込む。
ただ今、中巻の中ほどだが、本を読み終えるまで、映画が上映されていることを願うばかりだ。
2006/6/4 このところ、neco家では、独特の電子音が不協和音を奏でている。
じつは、息子を除く3人の脳の若返りを願って、流行りの計算問題付きの電卓を、一人一台ずつ買い込んだのだ。
出勤前や夕飯の後、だれか一人が電卓を取り出すと、我も我もとそれぞれが自分の電卓を持ち出して、好みの問題に取り掛かる。
正解すると上り調子、間違えると下がり調子の電子音がなる。
人の音は耳障りなのだが、消音すると張り合いがないものだから、全員が音入りモードでキーを叩く。
おばあちゃんなど、九九を声に出して言うものだから、集中するのも容易ではない。
電子音の不協和音と、ただならない雰囲気に、
猫たちまで、奇妙な鳴き声を上げる始末。
公文式の塾さながらの光景は、しばらくは続きそうだ。
2006/5/29 タマサは、翌朝、何事もなかったように私を出迎えてくれた。
姿を見せなかった日の深夜、お腹を空かせてステーキ屋さんに現れたそうだから、終日どこかに閉じ込められていたのだろうか。
タマサのみぞ知る、というわけだ。
こんなささいな心配事が白髪を一本ずつ増やし、無事を知った喜びが目尻の笑い皺を深くする。
どちらにしても猫と付き合うとふけ顔になるということだろうか。

2006/5/25 今朝はタマサが全く姿を見せなかった。
4月に具合が悪くなったときも、呼べばやって来た。
今回は、いくら呼んでも、待てど暮せど、現れない。
この2年間で初めてのことだ。
午後の4時、ホワイトソックスが大声で泣いている。
お腹が空いたのかと、ご飯を持っていくが、ご飯は二の次といった様子で、泣き続ける。
ビルの隙間の根城からめったに離れないタマサがいないからだろうか。
何喰わぬ顔で、ひょっこり現れるだろうとは思いながら、こちらも気が気ではない。
こんなとき、いつも思う。
人間との付き合い方を決めるのは猫なのだと。
健やかなるときも、病めるときも、猫にすべての選択権があるのだ。
2006/5/21

はしり梅雨なのか、鬱陶しい日が続いていたが、今日は久方振りの快晴。
気温も27℃くらいになるという。
さあ、はるばるアメリカから取り寄せた猫Tシャツを着よう!
と気持ちが弾んだが、袖を通して、いきなりしょげ返ることに。
Sサイズを注文したの、とにかくデカイ!
袖は折り曲げれば何とかなるが、丈が長過ぎる。


もっとも、大爆笑を誘った絵柄が大きくて、ベビードールやチビTにはプリントできないから、諦めはつくのだが……。
いきなりパジャマというのも悲しいし、何とかできないかしらん???
いいアイディアがあったら、教えてくださ〜い!
2006/5/18 抜け毛の季節。
neco家では、毎日おばあちゃんが猫たちのブラッシングに余念がない。
丁寧にブラシをかけ、粘着テープのコロコロで仕上げる。
会社の外猫たちも、一日に一匹ずつプラッシング。
最近、ようやく背中を撫でさせてくれるようになったばかりのホワイトソックスは、ブラシをバスケットから出すだけで、逃げ腰になるから、思うようにはいかないのだが、それでも10回に2回は成功する。
ところが、neco家に暮すズレータの姉たち、こあねちゃんとレオナは、冬のコートを着たままだ。
シャルトリューのような体格になったレオナは、とりわけ暑苦しく見える。
ブラッシングなんかしなくても、あたしはキレイ!とでも言いたげなこえりも、一擦りすれば、ブラシの目は詰るだろう。
この2匹、いつになったら人間に気を許すようになるのだろう。
もっとも、近頃は、うっかり警戒を怠ることも増えてきて、さっと背中を撫でる機会も増えてきた。
その度に、耳を平にし、身をこちこちにして我慢するのがこえりちゃん。
レオナはまったく平気らしく、「しまった!」という様子すら見せない。
レオナは、こえりちゃんの真似をして、おもしろ半分に逃げているのだ。
いずれにしても、この2匹との駆け引きは、まだまだ続きそうだ。

2006/5/14 会社の外猫、タマサも、本調子を取り戻しつつある。
一方で、ズレータは我が儘に拍車がかかっている。
3匹がご飯を終わろうとするころに、のこのこと起き出して来てみたり、みんなと一緒に起きてきても、ご飯に手をつけずに遊んでみたり。
仕方なく、ズレータのご飯を放置されている台車の下に置いてくる。
掃除を終えるころ、スレータがようやく台車の下でご飯を食べ始める。
小一時間して、お皿を取りに戻ると、おさらは洗ったようにきれいになっている。
てっきりズレータが全部平げたと思っていた。
ところが、お皿を舐めていたのは、どうやらイケらしいのだ。
イケは、ホワイトソックスの兄弟で、3匹の叔父さんに当たる。
もともとイケは、ホワイトソックスとチョコ、マーベと一緒にここで生まれ育った。
チョコ、マーベがそろって子供を産み、内4匹をneco家に連れ帰ってから、ホワイトソックスと3匹の子供を残して、他の3匹は生活場所を変えた。
それでも、イケはたまに見かけていたから、今の住まいも遠くはないのだろう。
今朝、食事中にイケがやって来た。
1m離れて対峙するホワイトソックスの左太ももが小刻みに震えている。
2匹に、少なくともホワイトソックスには、兄弟の意識など残っていない。
ケンカになる前にイケを追い払わなくてはならない。
と思っていると、何と、ホワイトソックスを先頭に4匹全員が自分たちの陣地、隣のビルとの隙間に退散してしまった。
イケは半分ほど残っている4つのお皿を次から次へと食べ進んだが、さすがに完食とはいかなかった。
イケが「ごちそうさん」と引き上げると、気弱な4匹はぞろぞろと陣地から出て来て、わずかに残ったご飯を食べ始める。
何とまあ……
2006/5/9

長らく更新できずにおりました。
海外旅行?
とんでもない!
お猫様を置いては行けません。
家族揃って、高級ランチめぐりなどしておりました。
予定では、本も数冊読むことになっていたのですが、家族が揃っていては、それも叶わず。

今回と次回、オススメのランチ・スポットをご紹介しますね。

2006/5/1 キャットフードも、猫砂も、おびただしい量を消費する我が家では、新聞折込チラシの値段チェックは欠かせない。
この間は、ハイパーマーケットと呼ばれるところに出かけた。
私は久々に訪れたのだが、驚いたことに、ペット用品売り場にワンちゃん、ニャンちゃんのケージが出来ていた。
生きたワン、ニャンがケージに入れられて、買い手を待つ光景は、あまり見たくはない。
ああ、それなのに、思わず近づいてしまう。
ケージの右の方に猫が3匹いた。
チンチラはトイレの中で爆睡中。
アメリカン・ショートヘアはこちらに背を向けて、無関心な素振り。
目こそつむっているが、こちら向きに半身を起こしているのは、アメリカンカールだけだった。
アメリカンカールの左隣のケージには、狆がいた。
超ハイパーになって、後足で立ち、ちぎれる程に尾を振っている。
   そうか、そうか、うん、いい子、いい子
何度も頷きながら、声を掛けてしまう。
方や、アメリカンカールは、目を閉じたまま不動の姿勢。
いけないとは知りつつ、ついついアメリカンカールのケージを指先でコツコツ叩いてしまった。
彼女、おもむろに目をわずかに開いた。
半眼のその目は、間違いなくこう言っていた。
   なによ、うるさいわね。見せ物じゃないのよ。
   さっ、行った、行った。
そして姿勢を崩す事なく、目だけを閉じた。
生後3ヶ月にも満たない、可愛い盛りのはずの子猫の、この人を喰った態度!
隣の狆とのコントラストが絶妙で、その晩、一人で思い出し笑いをしていた。
2006/4/28 家にあるキャット・ベッドは、どれもこれも原型をとどめていない。
12匹で使うのだから、いたしかたない。
これではあんまりだ、と一昨日新しいキャット・ベッドを一つ買ってきた。
黄色地に色とりどりのシュガービーンズを散らした模様のなかなか可愛いベッドだ。
やわらかな陽射しの中で、浮き上がって見える。
さあて、誰が一番乗りかな……
ところが、猫たち、だもれかれも知らん顔。
シマダチュウタロウは、底が抜けて枠だけになったベッドの残骸を縦に起こして、輪くぐり状態で寝ているし、レオナは、もう捨てようとゴミ箱の横に置いたぼろぼろのベッドにちょこんと収まって、キョトンとこちらを見ている。
コエリは、カマクラ型のベッドを押しつぶして横になり、じっとこちらを観察。
ぬーちゃんは、色褪せてすり切れたベッド一面に大きな体を広げている。
シュガービーンズのベッドに入り込むのはお日様だけ。
一体何なのよ〜、もっと喜びなさいよ〜
せっかく、せっかく……
2006/4/23 16歳になんなんとするロッキーママは、
玄関先の自室で能天気に暮している。
歯なしばあさんだけれど、至って元気。
ストレスのない生活をしているからだろうか。
茶飲み友達のジロちゃんもいるし、これぞ『猫』という生活を楽しんでいる。
毎晩帰宅すると、ひとしきりロッキーママと話をする。
「まだ夜は冷えるわねえ」
「う〜ん」
「かまくらベッド、つぶしちゃダメじゃない」
「う〜ん」
「さ、膨らませてあげるから、この中で寝なさいね」
「う〜ん」
「今日、ジロちゃんは来なかったの?ご飯手付かずだけど」
「う〜ん」
「ジロちゃんが来ないと寂しいよね」
「う〜ん」
家に入って、おばあちゃんに尋ねた。
「ジロちゃん、来なかったってママが言ってたけど」
「あら、夕方一緒に遊んでたわよ」
「ご飯、まるまる残ってるけど」
「ご飯前に帰ったから。また来るでしょ」
2006/4/20 お食事時にお読みのみなさまには申し訳ないのですが、
今日はウンチのお話。
巨大結腸症になる可能性の高いぬーちゃんが、このところ、とても楽にいいウンチが出るようになったんです!!
ぬーちゃんのこれまでのウンチは、まるでビー玉。
9キロの体から出るのは直径1センチのビー玉一つでした。
腰椎に仮骨ができて、腸を司る神経が麻痺しているからです。
ぬーちゃん、今日はウンチ出た?
これが私の帰宅一番の言葉。
加齢により、筋力が弱くなると、ビー玉も出なくなる可能性が高いと聞かされ、本当にどうしたらいいのか悩んでいました。
お腹をマッサージしても効果なし。
チュープの薬も聞いているのかいないのか。
ぬーちゃん、ここのところの神経が通えばいいのにねえ……
そう言いながら、腰骨のところをさすった翌日、うっそー、と思うような見事なウンチが出たのです。
昨日もさすってみました。
すると、今朝も体に相応しい立派なウンチ!
どうやら偶然ではなさそうです。
巨大結腸症を心配している方がおられましたら、どうぞ試してみてください。
2006/4/16 「タマサもだんだん元気になってきましたよね」
階下のステーキ屋さんのご主人に話しかけたが、返ってきた言葉は予想外だった。
「いやあ、元気ないですよ。脳梗塞なんじゃないですか?」
脳梗塞………
さっそく獣医師さんのサイトで調べてみると、猫にも脳梗塞があることが判明!
そう云えば、突然の変調、ゆらゆら揺れていた手足、表情はなく、動作は緩慢で、塀から下りるのも抱いて下ろすほど。
ご飯は食べるとはいっても、いつもの気持ちの良い食欲とは程遠い。
元気になってきた、とついさっきまで思っていたのに、急に心配になり、獣医さんに電話を掛けた。
2歳で脳梗塞とは考えにくいし、猫が脳梗塞を起こした場合は、まったく身動きできず、食べられなくなるとのこと。
「そのまま経過を見る余裕はあると思いますよ」
「おそらくとても怖い思いをいたんでしょう、物を投げられたりとか」
「タマサちゃんが信頼の糸をつないでいるのはあなたなのですから、声を掛け、撫でてやってください」
との言葉にまたまた一安心。
翌朝、タマサは久しぶりに私を迎えに出ていた。
私の姿を見ると、ゆっくり踵を返して、食事場所へ歩いて行く。
今朝は、道路近くで私を迎えてくれた。
そして私の足にすりすりしながら、一緒に歩いた。

心配してメールをくださったみなさま、
お蔭さまで、快復に向っています。
本当にありがとうございました。
2006/4/13 今週も火、水と連休だった。
せっかくの、めったにない連休……
ああ、それなのに、風邪でダウン。
丸二日、ひたすら寝て、ご飯を食べて、また寝て。
まるで猫のような生活だった。
日頃、あくせく動き回っていると、のんびり日向で眠りこける猫たちを羨ましく眺めるが、日がな寝てみると、やっぱりこれは面白くない。
こちらが寝ている間、エリちゃんは片時も離れず、枕を分け合っていた。
私が仕事に出た今日も、エリちゃんは寝ているのだろう。
猫と私の間の距離を改めて感じた2日だった。
2006/4/8 ホワイトソックスがブラシをかけさせてくれた、と大喜びしたのも束の間、またまた心配事が。
月曜日からタマサの様子がおかしい。
前日まで、変わることなく全員のお皿の残飯整理を引き受け、ボールを追い掛けて遊んでいたのだが、
翌朝は、姿さえ見せなかった。
呼んで呼んで、ようやく現れたものの、ご飯に手をつけようともしない。
ちょっと持ち上げた右手は大きく震えている。
目に表情もない。
熱はなさそうだし、鼻も冷たく濡れているのに……
しばらく様子を見ていたが、手足の震えは止まらず、急ぎケージを用意したが、猛烈な勢いで逃げられてしまった。
夕食時も一番遅れて登場。
ご飯はまずまず食べてくれたが、いつもの半分くらい。
何か悪い物でも食べたか飲んだが、あるいはよほど怖いことがあったのだろうか。
あれから5日、ご飯こそ食べているが、相変わらず様子はおかしいままだ。
自分のお皿のご飯を済ませると、ひとりそそくさと根城に戻ってしまう。
ブラシを掛けても毛艶はない。
いつも夕食をあげているステーキ屋さんの姿を見ても、逃げ出すという。
一体何があったのだろう。

春の穏やかな陽射しがさす、最高の季節を迎えたというのに、日向ボッコをする姿が見えない。
2006/4/1 ズレータの目は、なかなか全快しない。
朝晩目薬を注していれば、4日ほどで完治するはずだったのに……
ある程度満腹したころを見計らって、捕まえては目薬を入れていたが、それがしみるのか、ズレータは私を警戒して全く近寄らなくなってしまった。
私から離れたところに置いたお皿から、猫缶の一カケをくわえては、安全な隙間に潜りこんで食べる始末。
その仕草は、まるで野良猫そのものだ。
ズレータにとって、私はヤマンバになってしまったのだろう。
そんなわけで、目薬は全く注せない状態になってしまった。
それもズレータが選んだこと、と諦めるしかない。

そんな落ち込んだ気持ちをまるで察したように、あの警戒心の権化のようなホワイトソックスに大異変が起こった。
何と、体を撫でさせてくれるようになったのだ!
甘える気持ちはあっても、1m離れてゴロンと横になって見せるのがせいぜいだったのに。
捕獲器で捕まえて、去勢に連れて行って以来、一度も触れることのなかった体は、ベタベタと油っぽかった。
今日はさらに一歩前進。
ブラシをかけさせてくれたのです!
ブラシにびっしり付いた毛を包んだティッシュのお団子は5つにもなり、お蔭で、毛もつややかで風になびくようになった。
こんな日がくるなんて……
ありがとう、神様。
ありがとう、ホワイトソックス。
2006/3/27 高円寺の駅が変わろうとしている。
現在、駅にホテルを建設中。
線路の上にどんなホテルが出現するのか、見当もつかないが、お蔭で駅舎もきれいになった。
下りのエスカレーターも付いたし、エレベータもできた。
それから、Beck's Coffee もできた。
何となく泥臭い感じの駅が、Beck's Coffee 一つで垢抜けたように見える。
商店街も、土地の人が次々に商店を止めて大家さんに変身中。
家賃は高いから、どうしてもドラッグストアなど大型チェーン店が軒を連ねるようになり、高円寺の個性が少しずつ失われている。
時の流れとは云え、寂しいものだ。
それでも、元気な古着屋さんが、商店街をはずれて進出し、高円寺を下支えしている。
私もここに来て9年目。
高円寺では、今でも10年一昔なのだろうか。
2006/3/24 お彼岸のお中日、会社前にお墓参りに出かけた。
穏やかな墓参日和で、気持ちよく帰途についたのだが、車の中で、突然右腕が伸びないことに気づいた。
えっ?!これ、もしかして四十肩?
もしそうなら、あたしって若いのね。
とっくに50を過ぎての四十肩だもん。
それにしても、右腕が思うように使えないなんて……
ついうっかりいつもの調子で右手を上げたり、伸ばしたりするたびに、「いたっ!」「いたっ」の連発。
インターネットで「四十肩」を引いてみると、「五十肩」とも言うそうで、「なあんだ」とがっくり。
ついでに座骨神経痛も痛み出す始末。
極端な運動不足とは承知しつつ、「これはまずい!」ということも起こらぬまま過ごしてきたが、やはり、この辺りで生活を見直さなくてはならいのだろう。
猫の健康状態には気を遣えても、自分のことはおざなりになってしまう。
みなさんもそうですか?
たくさんの猫たちのためにも、元気でいなければね!
2006/3/20 ズレータにすっかり嫌われてしまった。
朝、私がちょっとでも遅れると、待ちきれずに通りまで出て、透き通った青い目で私を探していたというのに……。
私を出迎えてくれるのは、タマサとホワイトソックスの2匹になってしまった。
ご飯皿にドライフードを入れる音を聞きつけて、寝坊のコアネちゃんが慌ててやって来る。
ズレータは、その後からようやく姿を見せる。
お腹さえ空かなければ、私には近寄りたくもないのだろうが、背に腹は代えられない。
おそるおそる歩を進めるが、私に背中を向けるような隙は見せない。
お皿の中に猫缶を入れると、一塊をくわえて、さっと離れる始末。
2日つづけてケージに4時間も閉じ込め、その上獣医さんに連れて行ったのだから、嫌われても仕方がない。
結膜炎はかなりひどく、まだ青い目は戻らない。
目薬をつけなければならないが、こちらの気をすばやく感じとって安全な距離を保つズレータ。
しばらくは知恵比べが続きそうだ。
2006/3/17 ズレータの目がどうもおかしい。
neco家には猫の薬用の抽き出しがある。
抗生物質から下痢止め、虫下し、耳の薬、目薬……おおよその物は揃っている。
翌朝、目薬と抗生物質を持って出かけた。
ズレータはおとなしく目薬を入れさせてくれ、抗生物質をまぜた猫缶も平らげた。
目薬は一日に数回は点眼しなければならないが、ご飯を食べる前しかつかまらないから、十分に点眼することはできない。
腫れ上がった左目は多少快方に向ったように思うが、今度は右目まで真っ赤になった。
今朝は、眼の半分近くまで瞬幕がかかっている。
これは、ダメだ!
悪化して癒着でもしたら大変なことになる。
朝ご飯を半分食べたところで、ケージに入れ、午後の診察の時間まで事務所に置く事にした。
時折、「ホー、ホー」とフクロウのように鳴きながら、眠ることなく、4時間待ち、ようやく病院へ。
かなりひどい結膜炎だった。
軟膏を目に注していただき、注射を一本。
爪を一本出すこともなく、実にいい子にしていたズレータだが、ビルの裏手に戻ると、俄然威勢が良くなり、早く出せと矢の催促。
それでも用意した猫缶を一缶食べてから、自分の陣地に戻っていった。
2006/3/13 会社の外猫たちが、朝、出迎えに出て来ていないときは、例外なく何かある。
水道の検針の人がいたり、工事が入っていたり。
今日は一体何事?と思って裏に回り込んでみると、鳩の羽が散らばっていた。
野生の本能のなせる技とは云え、この光景は切ない。
私の足音を聞きつけて飛んで来た4匹の顔を何ともいえない思いで眺める。
あれっ?
ズレータの左目が真っ赤に晴れ上がっている。
昨日は道路まで出て、澄んだブルーの目で私の姿を探していたのに……
それ、鳩の反撃?
2006/3/10 4月の陽気というあったかさに誘われて、久方ぶりに銀座に出かけた。
イタリアン・レストランから外を眺めると、ダンボールを敷いて、日光浴を決め込んでいる人がいる。
ラジオに水のボトルが2本。
食べ終えたお弁当の傍らには、瓶に投げ込んだ桃の枝が一本。
なぜか、その光景から目が離せなかった。

映画を見ることにする。
50歳をすぎた夫婦は、2人で2,000円。
いつの間にか、そんなサービスをしていただける歳になった。
嬉しいものの、僅かな焦りと居心地の悪さを感じる。
こらからますます増えるこうしたサービスに見合うだけのことを、後づけでもいいから、やらなくっちゃね!
2006/3/4 昨日は雛祭りだった。
母は今でも半世紀前の私の初絶句に買った雛人形を出しに行く。
5段飾りのその人形は、可哀想に荷物置場として借りている家に置いてあるのだ。
わざわざ出してくれた雛人形を私は見に行くこともしない。
その時間がない。
一年ぶりに外の風に当たった雛人形は、母がまた、一人で仕舞いに行く。
なんと律儀な、といつも思うが、母はその時間、半世紀前にタイムスリップしているのかもしれない。
母が食卓に用意してくれたちらし寿司と桜餅が、かろうじて3月3日という日を意味あるものにしてくれている。
日々の忙しさにかまけて、私はどれほど多くのことを平気で手放していることか。
日本が永々と伝え続けて来た一つ一つを、私は次の世代に伝えることができないことに気づいて、はっとする。
雛人形の顔も見ずに、キーボードを叩くことの意味を考える。
今年は、母と一緒に雛人形を仕舞いに行こうか。
2006/2/28 毎朝、7時45分頃になると、陽射しを求めて猫たちが2階に集ってくる。
人間が起しき出た後のベッドは、7、8匹の猫どもに占拠される。
夜の間、お父さんと私の腕の中を行き来して、思いっきり甘えているエリちゃんは、三々五々集る猫たちと入替に、クロゼットの中に引き蘢る。
自分の居場所のないストレスに、遊ぶことも止め、表情も曇ったまま、痩せっぽちになってしまったエリちゃんだが、何とか気持ちを引き立てようとするこちらの気持ちを汲んでか、目に明るさが戻ってきた。
だが、自分の寝床に他の猫の臭いがついているのは気に入らないらしい。
そこで、エリちゃん専用の毛布を置いてあげることにした。
朝起きると、その毛布はクロゼットの中にしまう。
そして、夜再びお父さんの枕元に置く。
エリちゃんは、花柄の美しいその毛布を、自分専用だと最初の晩から理解した。
人間も猫も、どんなに僅かであろうと、Only for You の時間や空間が必要なのだ。
2006/2/24 女子フィギアの荒川静香選手が、日本初の金メダルをもたらしてくれた。
彼女が創り出した荒川ワールドに、勝ち負けなど忘れて陶酔した。
一つことをやり遂げたあの晴れやかな表情に、鬱積していた胸のつかえもとれた。
朝3時から起きていて、本当に良かった。
栄養ドリンクを一本飲んで、晴れ晴れと会社に。
ところが、ところが、パソコンのメールが動かない。
あれやこれや、試してみても、エイヤーとメールソフトを初期化しても、どうにもこうにも動かない。
明日は週末。
サポートセンターも休みになってしまうから、何としても今日中に直さなくては!!
受話器を耳に、パソコンを操作すること3時間以上。
ちっとも改善が見られない。
これ以上のサポートは有償になると云われ、やむなし、と5000円をカードで払う。
こんな大枚を払うのだから、パソコン博士のお出ましかと思いきや、何と、今まで話していた人がそのまま応対するではないか。
ええ??どこで有償、無償の線引きをするの??
だが、結局その人の手には追えなかった。
より専門的なセクションに繋いでもらっている間に、あれこれ思いつくままに操作を続けた。
先方がようやく、電話口に出た。
「改善はみられませんか?」
「ええ、ちっとも。あっ、ちょっと待って、直りました!」
………
5000円、何だったの??
2006/2/21 私の一週間は木曜日に始まり火曜で終わる。
この一週間、早かったのか長かったのか。
仕事は目一杯の忙しさだが、それに加えてオリンピック。
スポーツのTV観戦が大好きなNECO家にとって、オリンピックはライブで見なければならない大イベントだ。
遅い夕食を終えて自室に引き上げるのが11時。
それからベッドに寝転がってオリンピック中継を見るわけだが、一日の仕事疲れには勝てず、いつの間にやら夢の中。
ところが、その夢が中継されている競技とリンクしている。
スノーボードクロスを見ているときは、ヘルメットをかぶったスノボー集団に追われる夢。
はっと目を覚ましては、また中継を眺める。
そして再び目は閉じて……
お蔭でTVは一晩中ついたまま。
こちらも寝た気もせず、かと云ってまともに観戦もできず、実に中途半端な夜を過ごしている。
今夜はお待ちかねの女子フィギア。
幸い明日は休みだから、早朝3時からの中継も何とか見られるだろう。
こんな人間たちの生活に、一番迷惑しているのは猫たちかもしれない。
2006/2/17 お店には、何枚かneco家の猫たちの写真が飾ってある。
来店されるお客様の目に止まるのは、決まってエリちゃん。
あら、美人さんだこと。
なんてきれいなんでしょ。
といったお褒めの言葉をたくさん頂戴するが、
もしかして、わがままさん?
と眼力鋭く見抜く方も少なくない。
6匹兄妹の紅一点のエリちゃんは、えばりん坊、あばれん坊、朝寝坊だった。
だが、決して好戦的なわけではなく、一人でいることが好きなだけ。
だれかとつるむことをせず、一人遊びに興じる。
病気一つせず、neco家には珍しく理想的な体型を保っている。
そんなエリちゃんが、最近しょげかえっている。
コエリとレオナが、猛烈な勢いでエリちゃんを追い回すのだ。
コエリちゃんに至っては、逃げるエリちゃんに後ろから猫パンチを繰り出す。
そうでなくとも、冬場は、お日様を求めて、6〜7匹が2階に押し寄せ、エリちゃんの空間を奪う。
一人でいたいエリちゃんの居場所がなくなった。
その上、新入りの女の子2匹に訳もなく追われては、たまらない。
一体、2匹は何を思ってエリちゃんを追い掛けるのだろう。
遊びなのか、悪意なのか、さっぱりわからない。
エリちゃんは、クロゼットに避難するようになった。
食事も周りが気になって、落ち着いて食べることができない。
エリちゃんは痩せっぽになってしまった。
どれほどのストレスが溜まっているかと思うと不憫でならない。
エリちゃんがほっとできるのは、夜眠るときだけ。
大好きなお父さんの腕に抱かれて眠る。
エリちゃんは、この苦境をどう脱していくのだろうか。
2006/2/13 トンちゃんは無事退院した。
傷口は跡形もないほど、きれいにくっついた。
それでも、まだ、何となく大人しい。
いつもなら、一日に何度となく居間の扉を開けては、家の中をぐるりと見回りするのだが、パトロールはしばらく休業らしい。
トンちゃんがドアを開けるたびに、こちらは閉めに行かなければならなかったから、休業はありがたい。
と思っていた矢先、
居間のドアを開けて出入りする猫がもう一匹。
何と、一番小さいモナコだ。
いくら背伸びをしても、モナコはドアノブには届かない。
知恵を絞ったモナコは、ドアの右にある階段の2段目に上り、そこからノブに手を伸ばしてみた。
うまくいった!
トンちゃんのように、ひっきりなしにドアを開けることはないが、モナコは必要に応じて自由にドアを開ける。
だが、居間の中からドアを開けるのには未だ成功していない。
踏み台になるものがないのだ。
猫トイレの縁に上ってトライしてみたが、すんでのところで届かない。
モナコはこちらを振り返り、「開けてくれる?」と甘い声でないた。
シマチューも以前からドア開けに挑戦しているが、成功にはほど遠い。
シマチュウーは背も大きく、背伸びをすれば楽にノブに届くはずなのに、なぜかそうはせずに、ドアの左に重ねて置いてある箱に上る。
ドアノブは、ドアの右側についているから、そこからではどうしても届かない。
モナコのドア開けを何度となく目の前で見ているのに、階段に上ってみようとはしない。
猫の頭の構造はどうなっているのだろう。
でも、これ以上、ドアを開ける猫は増えてほしくないから、学習しないシマチューを褒めてあげよう。
2006/2/10 今日、トンちゃんが退院する。
抜糸する前でも退院はできたのだが、人一倍暴れん坊のトンちゃんのこと、包帯をたなびかせて駆け回るのは目に見えている。
用心して抜糸まで退院を見合わせた。
今頃は、もう家に着いているだろう。
10匹がトンちゃんを取り囲み、代わる代わる臭いを嗅いでいるに違いない。

一難去ってまた一難。
今度は、会社の外猫、コアネちゃんが姿を見せない。
もともと毎朝皆勤賞という子ではなかったが、4日も姿を見ないと不安になる。
抱き上げたときに、何となく体が熱いような気がしていただけに気がかりだ。
鼻先は冷たく濡れていたから、大丈夫だろうと思っていたのだが……
この寒空のもと、病んだ体を横たえているのだろうか。
私の取り越し苦労でありますように……
2006/2/6 トンちゃんが入院してしまった。
一週間ほど前、右手の付け根のところに犬歯の刺さったような傷を発見。
おそらく宮沢さんとでも一戦交えたのだろう。
傷は大したことはなく、イソジンで消毒しておいた。
4日ほど経ったころ、おばあちゃんが慌てて私を呼ぶ。
トンちゃんがひどいケガをしているというのだ。
急いで見てみると、例の右手の付け根。
まるで裂けたようになっている。
傷口はきれいに乾いていて、血が出た痕跡もない。
動作にもまったく支障がないように見えるが、それでも傷はあまりに深い。
そのまま病院へ連れていった。
ここまで時間が経ってしまうと、縫合してもくっつかないとのこと。
傷の表面を切開して縫わなければならない。
あの小さな傷がこんなになっていようとは……

モナコが一晩、どこかに引き蘢っていた。
翌朝は何もなかったように、居間で寝ていたが、よく見ると、耳の裏側に爪が入ったような痕がある。
またまたイソジン。
今回は経過をちゃんと観察。

こう寒くては、ウッドデッキに出ることもなく、11匹が室内で窮屈に暮している。
そんなストレスがいらぬ諍いを生んでいるのだろう。
春よ来い、はーやく来い。
2006/2/2 ジロちゃんの心配を綴ったその日、家の門を開けると、全身サバトラの猫がこそこそと退散するところを目撃。
ログハウスに寝ていて、私たちの物音で逃げ出したのだろう。
どらどら、とログハウスの入口のフリースを持ち上げてみると、なんと、ジロちゃんがベッドの上で睨みをきかせていた。
今夜もここで、とログハウスに入ろうとしたサバトラは、ジロちゃんと鉢合わせして慌てて逃げたらしい。
私たちの帰宅が遅れれば、またも一戦交えたのかもしれない。
いずれにしても、ジロちゃんは戻ってきた。
案の定、左頬は名誉の負傷。
やれやれ、と呆れながら、イソジンで消毒した。
「ジロちゃんが帰ってきて、良かったね。」
ロッキーママに語りかけると
大きく喉を鳴らしながら、「うん、うん」と答えた。
2006/1/27 このところ、ロッキーママの茶飲み友達、ジロちゃんが姿を見せない。
ご近所の飼い猫とは云え、一日2食をほぼ毎日neco家で食べていた。
ときどきは、玄関先に置いてあるログハウスに泊まっていったりもした。
先日、そのログハウスに見慣れない黒猫が寝ていたらしい。
鉢合わせしたジロちゃんと大喧嘩になった。
ジロちゃんは、この7年、neco家を我が家同然にしてきたのだから、よそ者を追い払おうとするのも当然だろう。
だが、ジロちゃんは喧嘩にはめっぽう弱い。
なのに喧嘩っ早い。
いつもひどい傷を負ってはそれが化膿する。
neco家には、ジロちゃん用の抗生物質が常備されている。
今回の喧嘩で、どんでもない手負いになってしまったのだろうか。
ロッキーママも心なしか寂しそうだ。
また、ふらりと現れてくれるといいのだが……
2006/1/23 コエリちゃんの退院が予定されていた日は、生憎の雪。
ノーマルタイヤの車は走れないほどの積雪となり、もう一日預かっていただけないか、電話を入れた。
預かれないこともないけれど……
という答えは、明らかにダメというメッセージだった。
ご飯は食べない、いつ飛びかかるかもわからない、とあっては無理も言えない。
タクシーでコエリちゃんを連れ帰ることにした。

家に帰ったコエリちゃんは、ケージを開けてもすぐには出て来ようとはしない。
さぞかし怒っていることだろうと中を覗くと、今まで見た事もないような愛らしい瞳で、こちらを見ている。
もしかして、なついてくれるの?
と、またまた期待が膨らんだ。
だが、ひとたびケージを出ると、逃げ惑うばかり。
ああ……期待する方が馬鹿だった。

翌朝、ぬーちゃんに抱かれて安心して眠るコエリちゃんに触れてみた。
その瞬間にさっと後ろに引かれた耳か熱い。
4日の間に避妊手術とワクチンと虫下しとノミ取りをやってしまったのだが、それがまずかったのだろうか。
ご飯はチビチビと食べているのだが……
心配は尽きない。
2006/1/20 休みの日の朝、おばあちゃんがビックリ仰天して寝坊をきめこんでいる私の所にやって来た。
コエリちゃんのウンチの中で虫が動いている、というのだ。
(きたない話でごめんなさい。)
寝ぼけ眼で聞いていた私だが、何となく、コエリちゃんを捕まえようと思った。
「今日こそは!」と気負うわけでなく、何気なくコエリちゃんを探すと、幸い椅子の下で眠っている。
巨大な洗濯ネットを左手に持ち、右手を伸ばすと、何とも簡単にコエリちゃんをネットの中に入れることができた。
私は半分眠っていたから、うまいこと『気』を消せたのだろう。
不意をつかれたコエリちゃんは、ネットの中で大暴れ!
私はチャックをすることもできず、必死でネットの口を両手で抑えるばかり。
おばあちゃんがやっとのことで、チャックを閉め、ネットごとキャリーに入れた。
コエリちゃんは観念したと見え、キャリーの奥で動かずにいる。
視線だけは、恐ろしいほど挑戦的だ。

これでコエリちゃんの避妊ができる!!
ワクチンも虫下しもノミ取りもできる!!!
我が家に来て、1年半。
やれやれ………

手術の翌日、病院に電話を入れた。
毎日、何頭ものノラちゃんの避妊・去勢をしてこられた先生だ。
その先生曰く…
奥さんの言っている意味がわかりましたよ。
やあ、すごい猫だねえ。暴れること、暴れること。
こんな猫は初めてだ。

でしょ、でしょ……すごいでしょ。
コエリちゃんは、今日も何も食べずに、隙を狙っているらしい。
家でないと全く食べないコエリちゃんは、明日退院する。
避妊手術は、コエリちゃんを変えるのだろうか。
2006/1/16 運動不足を絵に書いたような生活になって、ずいぶんと風邪をひきやすくなった。
会社勤めをしていた17、8年は、病欠をすることはまずなかったのに。
今度の風邪は胃に来るようで、この4、5日胃が痛む。
胃薬を飲んでも効果なし。
風邪薬を飲むと痛みが消えるから不思議だ。
胃腸の調子が悪いとどうにも元気が出ない。
お腹も空かないから、晩ご飯も一向に減らない。
そんな私を見て、俄然しゃっきりしたのが、おばあちゃんだ。
年末年始のお休みの間、家にいる私に頼りきりになっていたおばあちゃんは、いつもぼーっとしていて、認知症?と疑いたくなるほどだった。
ちょっとー、まだ早すぎるよ!
と、喝を入れても効き目なし。
ところが、元気のない私を見たら、見違えるほどすっきり、しゃっきり。
人間、適度な緊張と使命感が必要なんですねえ。
過保護は、子供にも老人にも禁物!
もちろん猫にも。
2006/1/13 最近、宮沢さんが相手構わずケンカを仕掛けてばかりいる。
宮沢さんは、めったに気を荒立てないものの、一旦勘に障ると根に持つ性分で、どこまでもどこまでも、しつこく追い回す。
それを知ってか、すぐに猫パンチを繰り出すニセドもトンちゃんも、宮沢さんには不用意に手を出したりはしなかった。
だが、今回の一連の騒動の最初の犠牲者はニセド。
続いてトンちゃん。
ニセドは長男風を吹かせることを慎むようになり、あちこちに引っ掻き傷を作ったトンちゃんは、すっかりしおれてしまった。
猫の世界にも、時折々に権力闘争があるようだ。
力づくでトップの座を勝ち取ろうとする宮沢さんは、目つきが変わっている。
もう宮沢さんに近寄る猫はなく、すっかり孤立してしまった。
そんな宮沢さんに思いっきりパンチを喰らわせた猫が一匹。
こえりちゃんだ。
こえりちゃんは、けっして媚びることのない、冷たいまでの澄んだ目で、いつも周囲を見つめている。
トイレを掃除しているとき、首筋に何かを感じて目をあげれば、こえりちゃんの鋭い視線と出会う、といった具合だ。
人、猫問わず、だれが、何をしているか、じっと見ている。
その目に感情の動きは感じられない。
だが、一つ一つの行動は、こえりちゃんの天秤にかけれられ、その結果は、必ず伝えられる。
どんなパンチを受けようと、じっと我慢を続け、いつも新入りの面倒を見ているらーちゃんの体を、こえりちゃんは、やさしく、いつまでも舐め続ける。
悪戯がすぎたトンちゃんや、傲慢になりかけている宮沢さんには容赦のない猫パンチが飛ぶ。
夕べ、ていねいに猫トイレを掃除し、水を取り替えて運ぶ私を、こえりちゃんはじっと見つめていた。
私がベッドに入ると、こえりちゃんは、私の足下に飛び乗り、そのまま眠った。
私の足下で眠る猫は、神さまの使いのように思われた。
2006/1/9 長い休みは嬉しいものの、休み明けは悲惨なものだ。
仕事は山積み………
あれ?年末も同じ愚痴をこぼしてたっけ……
リフレッシュしたとは云え、休みモードから抜けきらず、なのに、連日残業……早くもお疲れモードに逆戻り。
ふうー、焦らず、一つずつ片付けるしかありませんね。

昨年末から、ぬーちゃんがしきりに外に出たがる。
ぬーちゃんは、脱走する心配がないので、新聞や牛乳を取りにいったり、ゴミ出しに行くわずかの時間、ぬーちゃんを外に出してあげていた。
サザンカのピンクの花に顔を寄せる姿は、まるで話をしているよう。
だが、そのぬーちゃんも、あまりの寒さに足裏が凍りそうなのか、
最近はサザンカとの内緒話もそこそこに、すぐに家に戻りたがる。
洗濯物を干すお供のようなトンちゃんもしかり。
ベランダの凍てつくコンクリートはまっぴらご免らしい。
大寒はこれから。
これ以上寒くなったらどうしよう……
2006/1/5

みなさま、あけましておめでとうございます。

日本各地が豪雪にみまわれる寒いお正月でしたが、皆様、お元気で新たな年をお迎えになられたでしょうか。
雪国の皆様、雪かき、雪下ろしに追われる毎日だと思いますが、事故のないよう、くれぐれもお気を付けください。
お蔭さまで、neco家は、無事越年いたしました。
会社の外猫たちも、いたって元気。
寒さを思い、ついつい甘やかしたためか、ご飯の選り好みが一層ひどくなりました。
「これじゃないご飯ないの?」
と私のバスケットを覗く姿に、呆れながらも笑みが浮かびます。

元旦に、家族揃ってお屠蘇を酌み交わしたとき、「今年こそは」という期待も気負いもないことに気づきました。
昨年一年、総じて良くすごせたせいなのか、あるいは僅かながらも猫に近づけたのか、わかりません。

さて、恒例の新年の決意をご披露しましょう。
日頃の怠慢のつけのような大掃除がほとほと嫌になり、今年は、週一大掃除を行うことにします。
場所を決めて、週に一日(正確には半日)大掃除並みの掃除をしておけば、年末の頭痛の種は解消、楽しく遊べる、というわけです。
実は、大掃除は嫌と言いながら、掃除の楽しさにも目覚めてしまったのですが。
毎年、決意表明したそばから、総崩れになっている軟弱決意……今年はどうなりますことやら。

皆様のご健康とご多幸を、心よりお祈り申し上げます。