2003/12/31

4日間続いた大掃除もようやく終わり、今日は恒例のお墓参り。
年末とは思えない穏やかで暖かい陽射しを背中に浴びながら、のんびりと草取りをする。
そんな姿を上空から眺めては人物評論でもしているのだろうか、カラスが声高に鳴きながら旋回している。
カラスの声も様々で、neco家の宮沢さんのように、おしゃべり好きなのもいる。
周りのお墓にも、南天や松をあしらったお正月ならではの花が飾られていて
なんだかとても嬉しくなる。

キャラリンも何とか食欲を回復し、neco家は、4人+11匹で年を越す。

過ぎ行く2003年に感謝。

2003/12/28

キャラリンは今ごろどこでどうしているのやら、と思いながら小屋を覗くと、
何とキャラリンが寝ています。
このところ、お決まりのパターンにはまらなくなってきました。
確かに体調は絶不調で、食事もほとんど食べられないのですが…
この寒空、ホカロンを敷いたベッドで眠ってくれるだけでも良しとしなくては。

年末に大掃除をするお陰で、身の回りも気分もすっきりと、新年を迎えられるのですが、他方、年末のお休みは一年で一番疲れる日となります。
昨日、今日と丸二日大掃除に費やしてもまだ終わらず、明日も掃除に捧げることに。
やりつけない動作に体のあちこちがすでに悲鳴をあげています。

部屋という部屋がごったがえし、家族がどたばた動き回っていると、猫たちも落ち着いてはいられません。
人のいないところで、大人しくしていてくれればいいものを、人のいるところに全員が集まってくるから不思議です。
人と同じようなそわそわと移動し続け、足下をすくわれそうです。
邪魔っけではあるけれど、時折掃除の手を休めて、猫を抱き上げる…何よりの骨休めかもしれません。

2003/12/26

みなさん、楽しいクリスマスを過ごされましたか?
necoからも、みなさんへクリスマスカードをと思いながら、仕事に追われ追われて、お約束の木曜日の更新もついにできずじまい。
みなさんからカードをいただくばかりで、本当にごめんなさい。

neco家では、宮沢さんがようやく本調子を取り戻してきました。
いつもは、煩い宮沢さんのおしゃべりが、こんなにも安心を与えてくれるとは…

宮沢さんが快方に向かう一方で、キャラリンはクリスマス・イヴの日から絶食が始まり、
ついに昨日、お気に入りの小屋を後にして、どこかへ半冬眠に出かけてしまいました。
今回は50日も食べ続けたのですが、この時期に出て行ったとなると、キャラリン不在のお正月になりそうです。

今年もあと4日。
恐怖の大掃除が待っていますが、あと一息、頑張りましょう!!

2003/12/21

宮沢さんは、結局入院ということになった。
病状が重いというより、多頭飼いの中では食事制限もむずかしかろうと、先生が察してくださってのことだ。
きょうは日曜日。
朝7時45分、NHKからいつもの音楽が流れる。
でもテーブルの上で正座してテレビと向き合う宮沢さんの姿はない。
今日退院してくると分かっていても淋しいものだ。
いつもは宮沢さんと一緒に並んでテレビで勉強するゴンちゃんも、今朝はキャットベッドに寝そべったまま、視線だけをテレビに向けていた。

キャラリンは、口の中は相当痛そうだが、まだ何とか食べ続けている。
12月20日も過ぎ、東京にも本格的な冬がやってきた。
キャラリンは、また断食の修行の旅に出るのだろうか。
せめて寒い間だけでも、このまま、ホカロンを敷いたフリースのふかふかベッドで暮らしてほしい。

2003/12/18 病気もケガもしたことのない宮沢さんがお医者さん通いとなった。
熱もなければ、風邪をひいている様子もない。
ただ、何かちょっとでも口にすると吐いてしまう。
水を飲んでもそのまま吐き出す。
胃袋は空になり、吐き出すものは黄色い水だけとなった。
お医者さまもこれといった原因が分からぬまま、吐き気止めの注射をしていただいた。
何ヶ月か前のぬーちゃんと全く同じだ。
あの病気を、私はぬーちゃんのストレスと受取った。
以来、人目をはばかってばかりで、自分から甘えることのできないぬーちゃんを、こちらから無理を頼むように二階に連れてゆき、一緒に寝るようにした。
ぬーちゃんは、一見仕方なしに二階に行く風情だが、一旦ベッドに入れば信じられないほどの甘え方をする。
neco家の猫たちは甘えん坊が多く、いつもおばあちゃんの膝や肩を奪いあっている。
その中で、宮沢さんはちょっぴり離れた存在になってしまっていた。
宮沢さんの病気も、そんなストレスが手伝ってのことなのではないかしらん。
放っておいても甘えてくる子、こちらから手を差し伸べなければならない子、その両方に、同じだけ触れ合うように、心を配っていかなければ…
2003/12/14

いよいよ断食モード突入か、と思ったキャラリンだが、いつもの食欲こそ見られないものの、何となく食べ続けている。
これで35日が経った。
今回は食べ始めも曖昧なら、断食に移行するのも曖昧だ。
食べている間は、薬をご飯にまぜている。
様子を見ながら量を加減しているとは云え、強い薬が絶えず体に入っていく。
食べていればいるで、今度は薬の副作用が気になる。

先日、階下に居合わせた猫5匹が脱走した時、おばあちゃんは、そのまま庭に続くガラス戸を開けておいた。
キャラリンと居間をしきる戸だ。
ふと、見るとキャラリンが居間に上がり込んでいたという。
鬼のいぬ間の探検というわけだ。
ガラス戸のこちら側…キャラリンはどう感じただろうか。

2003/12/11

師走も半ばとなり、家では少しずつ新年を迎える準備が始まっている。
猫たちがボロボロにしてくれた網戸を張り替えたり、ウッドデッキにニスを塗ったり…
日頃全ての窓にロックをかけているneco家だが、こんな大きな作業をするときは、家と外の出入りが頻繁になり、ついうっかりロックを忘れる。
その『ついうっかり』をトンちゃんは見逃さない。
一昨日、またもトンちゃん、ぬーちゃん、宮沢さん、らーちゃんが脱走した。
そして再びらーちゃんが宮沢さんを追い、喧嘩となる。
またも手負いはらーちゃん。
左腕にざっくりと歯が食い込んだらしい。
喧嘩を仕掛けるのはらーちゃんなのに、宮沢さんは無傷でいる。
確かにらーちゃんは歯槽膿漏で歯を随分抜いてしまったが、爪ぐらい使えるだろうに…

らーちゃんの左腕は腫れ上がり、満足に歩けない。
今朝、抗生物質の錠剤を飲ませようと顔の覗くと、左目から透明な涙が一筋こぼれていた。
傷が痛むのだろうか、それとも自分を情けなく思っているのだろうか。

2003/12/7

キャラリンは、順調に食べ続けている。
目が口ほどにモノを言うのは、人間に限ったことではない。
キャラリンも、体調が良い間は、淡いブルーとグリーンのオッドアイから力のある眼差しを送ってくるが、口内炎が悪化し始めると、途端に涙で曇り、目の下には涙やけができる。
今回食べ始めて1ヶ月が経ち、このところ、キャラリンの目を見ては「まだ、大丈夫」と胸を撫で下ろす日が続いている。

『お友だち』は冬眠前の熊のように食べる、食べる。
自分のご飯に手を付ける前に、ロッキーママのご飯を横取りし、ようやく自分のご飯を食べたかと思うと、今度はキャラリンのいるデッキに上がって、キャラリンと並んでご飯の催促をする。
お陰で丸々と太り、ひと頃の痩せようが嘘のようだ。

ロッキーママは、『お友だち』にご飯を取られるばかりで、食べているのかいないのか。
それでも皮下脂肪をしっかりと貯えて真冬の寒さに備えている。

猫の師走は、食べることで忙しいようだ。

2003/12/4 猫が前足を内側に折り曲げて平らに座る姿を『香箱を作る』と表現するが、今朝、ぬーちゃんの『香箱』を見て唸ってしまった。
それは、どこからどう見ても『香箱』ではなかった。
贔屓目に見ても『文箱』。
真上から見れば正方形なのだ。
このところ体重を計っていないが、10キロ前後にはなっていると思う。
「そんなに太らせちゃって、可哀想じゃないの」と、お叱りの言葉が聞こえてきそうだ。
きちんとした食事管理はとうに諦め、こうなったら日本一大きくなろうね、などと冗談を飛ばしていたが、『文箱』を見て、やはり愕然とした。
軽々とジャンプするし、高いところから下りるときも着地音が一番小さいし…
と『文箱』容認の根拠をあげつらってみるのも空しい。
2003/11/30 昨日、おばあちゃんがうっかりロックし忘れた窓から、6匹が大脱走。
臆病なゴンちゃんとぬーちゃんはすぐに戻ってきたが、トンちゃん、宮沢さん、らーちゃんが家の周りを延々回り続ける。
ようやく戻ったトンちゃんの鼻には引っ掻き傷が2本。一体だれが…
残るはらーちゃん、宮沢さんの2匹。
家の裏手から喧嘩の悲鳴が聞こえる。
『お友だち』とでも出くわしたのだろうか?
すると背中の毛を逆立て、尻尾を太くして宮沢さんを追うらーちゃんの姿が一瞬目に飛び込み、ウッドデッキの下に消えた。
喧嘩の主はこの2匹だったようだ。
待つしかない。
しばらくして、追っていたはずのらーちゃんが宮沢さんに追われて、家に逃げ込んだ。
体にはいくつもの傷。血が雨に濡れた毛に滲んでいる。
もちろん鼻にもざっくりと3本の赤いすじ。
勝者、宮沢さんはまだ戻らない。
と、ウッドデッキの下からまたも悲鳴。
今度はキャラリンと宮沢さんがはち合わせした。
ウッドデッキの下から逃げ出てきたのは宮沢さんだった。
宮沢さんももはやこれまで。
家に逃げ込み、一件落着となった。
2003/11/27 今年、neco家ではMLB観戦に明け暮れた。
シーズンが終ったら寂しかろうと、せっせと録画しておいたお陰で、今でも休みの日は、ヤンキースの試合観戦となる。
松井選手が打って、ヤンキースが勝った試合しか保存していないから、どれを見ても気分がいい。
昨日、ヤンキースがリーグ優勝を決めたレッドソックスとの第7戦を見ていて、ふと思い付いた。
荻窪ニャンキースを結成しようと!!
neco家の猫は目下11匹。
監督とクローザーを入れれば、ぴったり11。
ポジションは、決定した。
あとは打順を決めなくては。
ユニフォームを作って写真撮影したいものだ。
2003/11/23 このところ、『お友だち』はほとんど実家に戻っていない。
日がな、neco家の玄関先にある特別室で生活している。
特別室は全部で4つ。
いずれも、フリースのブランケットを敷いたキャットベッドが設えてある。
その中に、大型犬用のトラベルキャリーを二つ重ねた二階建ての一棟がある。
この二階の部屋は、日中は温室のような心地よさになり、冬場の特等室となる。
『お友だち』は、この特等室を占拠している。
私たちが朝出かける時は、お日様をサンサンと浴びながら、キャットベッドに長々と横になりながら、物憂気に「いってらっしゃい」の一声を発する。
この部屋の心地よさは、ロッキーママも知っている。
来る日も来る日も『お友だち』に占拠されて、面白くなかったのだろう。
ついに昨日、『お友だち』が眠るこの部屋に押し入った。
一悶着あると思いきや、『お友だち』はすごすごと部屋を出ていった。
どんなに大きな顔をして寝ていても、実家ではないことをわきまえているようだ。
2003/11/20

この間、トンちゃんにだっこして寝ていたチビタが、今度はニセドにだっこして眠っている。
目が覚めていれば、未だにチビタに猫パンチをお見舞いする2匹も眠っている間は、仏となるようだ。
知らぬが仏とはこのことだ。
それでも、チビタにとっては、それはそれは大きな喜びだったのだろう。

昨日、目覚めてみると、エリちゃんのそばで横になっているチビタが、手を開いたり閉じたりしながら、両手で代わる代わる布団を押している。
猫が満足しているときに見せる『お母さんのおっぱりもみもみ』の仕種だ。
我が家の家族になって1年と8ヶ月。
初めて見せた仕種だった。

どんなに邪険にされようと意に介するふうもなく、マイペースで先住者にすりすりを続けていたチビタだったが、初めて見せた満足の仕種に、これまでのチビタの心中はどんなだったかと、時を遡って胸が詰まった。

チビタの受けた傷は、体ばかりではないことは分かっていた。
今こうして、心の中の固まりが少しずつ少しずつほぐれようとしている。
喉を鳴らすことのできないチビタだが、それも体のせいではないのかもしれない。
いつか、チビタのゴロゴロを聞く日がくるのかもしれない。

2003/11/16 毎晩、帰宅すると、玄関を明ける前にロッキーママに只今を言う。
4つある小屋のどれに入っているかわからないママのこと、一つ一つ入口の風除けフリースをめくっては、中を覗く。
昨日は、三つ目の小屋にいた。
食事中だったと見え、ふいをつかれたママは、猛烈な勢いで逃げ出した。
逃げ出してから、覗きの主はnecoと知り、体裁が悪かったのだろう。
駆け登った塀の上を、逆戻りしてきて、
「何なら、つかまってもいいんだけど…」
と、手を伸ばせば届く場所にじっとしている。
それならば、と両手に抱き取り、しばしのだっこ。
ママは、仕方なしなしゴロゴロと喉を鳴らした。
2003/11/13 断食期間が短すぎたのか、キャラリンの調子が良くない。
いつもは、戻って2、3日で、猛烈な勢いで食べるようになるのだが、今回は、口の痛みが治まらないようで、だんだんと食べる量が減ってきてしまった。
わずかを食べては、自分の家に引きこもっている。
薬を入れた食事も大半が残ったまま。
無闇にガラス戸を開けると、キャラリンは逃げ出してしまうので、他の猫が食べたらまずい、と思いながらも、ついそのままにしておいた。
案の定、『お友だち』がやってきて、薬もろとも残飯整理。
ところが、まずい、と思った薬が『お友だち』にも効いたとみえる。
毛がそっくり抜けていた尻尾にも、毛がはえ、万年膿んでいたほっぺたも、治りかかっている。

結果オーライだったかもしれないが、薬は危険!
薬入りの食べ残しは、早く片付けなくては。
それより何より、キャラリンに食べて欲しいのだが…
2003/11/9

キャラリンは、一昨日、断食を終えて戻ってきた。
今回の断食は10日ほどで、比較的短かった。
いつもは戻ってからも2、3日は飲まず食わずが続くのだか、今回は戻るなり、一皿を平らげた。
とは言っても、口の中が良くなっているわけではなく、食べ物が痛む箇所に触れるたびに、垂直に飛び上がる。
後足二本で立ち上がり、両手で口を必死に拭いながら、それでもキャラリンは食べる。
そして命の糸が繋がる。

命の綱の綱渡りをしているようなキャラリンには、人を信じる余裕もないのだろうが、それでも1年半経って、ご飯のお皿を持ってガラス戸を開けたときだけは、頭を撫でさせてくれるようになっていた。
そして少しずつ撫でる時間は長くなり、撫でる範囲も広がってきた。
頭、のど、背中…
夕べはキャラリンののどから、小さなゴロゴロが聞こえた。

2003/11/6 キャット・フードの保管場所は、誰しも頭を痛めるもの。
トイレの中が一番安全、という話を聞いて、なるほどと頷いた。
neco家では、保管している量が量なので、トイレの中という訳にもいかない。
新しく買い込んだ扉を手前に倒すタイプの収納家具も、置いた途端に扉3枚がなくなる始末。
おばあちゃんは、ドライフードを引き出し型の収納ケースに入れ、それを扉の取れた収納棚に横向きに入れることにした。
このケースは収納棚の幅にぴったりで、引き出しを引き出すことはできない。
そう思ったのは、人間ばかりだった。
猫たちは、そんな人間を眺めて、薄ら笑いを浮かべていたことだろう。
トンちゃんが早速やって来て、棚からケース全体を難無く出して、おもむろに引き出しを開け、中のドライフードの袋を破り、3粒だけ食べた。
鱈腹食べてくれればまだしも、たったの3粒。
トンちゃんの立ち去ったあと、肩を落として、出しっ放しの引き出しをしまう。
ふと中を覗くと、トンちゃんの大好きなキャット・ニップ入りのおもちゃがチョコンと入っていた。
出すばかりでなく、しまうことも覚えたようだ。
2003/11/2 寝付きの悪い猫がいる。
neco家のトンちゃんだ。
一旦寝付けば、ちょっとやそっとでは起きないほど、深い眠りにつくのだが、眠るまでが一苦労なのだ。
家に帰って遅い夕食の食卓を囲む頃、トンちゃんが一人がしきりと歩き回る。
他の7匹は、思い思いの場所で、静かに寝入っている。
トンちゃんがいくら歩き回っても相手にしてくれる仲間もいない。
ダミ声で泣きながら歩いても、効果なし。
歩き疲れると、夕食中の人間に摺寄ってくる。
撫でてあげても、一ケ所で落ち着くわけではない。
パパ、おばあちゃん、ママと移動しながら、体を擦りつけるばかり。
それにも飽きると、夢見心地の兄妹の元に。
ターゲットはたいていぬーちゃんだ。
10キロ近い体が心強いのかもしれない。
キャットベッドで寝ているぬーちゃんの上に馬乗りになるや、せっせとぬーちゃんの耳やら目やらを舐めはじめる。
「ね、一緒に寝かせて。ね」とお願いするつもりで舐めているのだろうが、
舐め方はどんどん勢いを増し、「一緒に寝かせてくれるまで、舐め続けるからな」と脅迫しているような気配になる。
迷惑そうに目を開けたぬーちゃんは、「またか」と言いたそうな表情で、身動き一つせず、ひたすら舐められ続ける。
トンちゃんの舐め舐めは20分は続く。
やがて、何ともいえない静けさにキャットベッドを覗くと、ぬーちゃんに重なるようにして寝入ったトンちゃんの姿を見つける。
眠くなったのではなく、きっと舐め疲れたのだろう。
2003/10/30

昨日は暖かな一日だった。
風は強かったが、その風も肌に心地よく感じられた。
貴重な週一のお休み、雲一つない青空の下を歩きたくて、近くの公園に出かけた。
一時『杉並病』でマスコミを賑わせた井草森公園だ。
小高い丘に登ると、テーブルのような石の上に、笠に入ったドングリが並べられていた。
ふと目をやると、制服姿の幼稚園児が、夢中でドングリを探している。
聞けば、拾ったドングリと笠を、一つ一つ合わせているのだと言う。
ドングリは栄養満点に膨らみ、つややかで、笠の中で胸を張っているよう。
子供たちの頬も目も生き生きと、やさしく輝いていた。

「いくつ持っていってもいいよ」
少年の申し出に、三つの笠入りドングリを大切に持ち帰った。
玄関を入った途端、手の中のものは何かと、そっと握った手に猫たちが鼻を突っ込む。

小さな秋を見つけた嬉しい一日だった。

2003/10/26

neco家の玄関先には4つの特別室が今も並んでいる。
気紛れロッキーママは、その日その日で部屋を変え、ファイトご愛用のログハウスも平気で占領していた。
ロッキーママに惚れ込んでいたファイトは、自分の部屋を譲っては、隣の部屋で我慢していたものだ。
ところが、今度はロッキーママが我慢する番がやってきた。

気紛れママも、朝晩冷え込むようになってからは、カマクラ型のベッドが設えられた部屋に定住していたが、散歩に出ている間に、居候が占拠していまったのだ。

おばあちゃんが、いつも通り、ママとお友だちのご飯を持って玄関先に出た。
「ママー、ジロちゃーん」と二人の名を呼ぶ。
ロッキーママの小屋の入り口のカーテンが揺れた。
何と、お友だち=ジロちゃんが、欠伸をしながらのっそり出て来た。
ママは、一番遠い部屋から姿を見せた。

2003/10/23 1年近く姿を見せなかった『クロちゃん』がひょっこりやって来た。
やはりどこかの飼い猫、あるいはちゃんとした餌場を持っていると見え、丸々太っていて、もともと大きな顔の人のよさそうな表情もそのままだった。
何と嬉しい再会だろう。
キャラリンをneco家に導いたのがこのクロちゃん。
その恩を忘れていないのか、キャラリンは、自分が食べるわけでもないのに、あれじゃ嫌、これじゃ嫌、とご飯をねだり続け、結局ご飯皿が4つ、ミルクのお皿が1つ並んだ。
クロちゃんはこれを平らげて、帰っていった。
2003/10/19 スポーツのTV観戦が大好きなneco家では、大リーグのポストシーズン・ゲームが始まってからというもの、寝不足が続いている。
夜中の2時や朝5時に試合開始の時はちゃんと起きて観戦。
試合開始が8時以降になると出勤時間のギリギリまで粘り、あとは帰宅後にビデオを見る。
リーグ優勝決定戦の最終試合など、なんと3回も見る始末。

こんな大リーグ三昧に参加しているのがエリちゃん。
ぱぱちゃんのあぐらの中にすっぽり嵌まって、あの大きな目でゲームに見入っている。
まさにオヤジギャルの本領発揮だ。
2003/10/16

お尻がムズムズするなと思ったら、ドスンと突き上げられるような地震。
家の中の猫たちは、逃げるでもなく、ただ目を丸くして人間の顔を見つめ続けていた。
小屋で眠っていたキャラリンは、物凄い勢いで飛び出して行った。

そのショックからか、キャラリンは、絶食モードに突入してしまった。
今回は、順調に一月食べ続けていたのに…

それにしても、このところ、日本列島のあちこちが揺れている。
Xデーがいよいよ迫っているのだろうか。

2003/10/12 朝晩は大分冷えるようになり、エアコンの温風が心地よい。
それでも、しばらく経つと暑くなるから、まだまだ秋の入口なのだろう。

だが、暑いと思うのは人間だけのようだ。
エアコンのスイッチを切った途端、それまで温風が舞い降りるベッドの上で、気持ちよく寝ていたエリちゃんが起き出した。
そのまま真直ぐにエアコンに向かって歩いてくる。
目は、口を閉じてしまったエアコンをしっかり見据えている。
気持ちいいあったかい風はどうした、と怒っているようだ。
壁に手を掛けて、後足二本で立ち上がった。
背さえ届けば、さぼっているエアコンに猫パンチを繰り出したことだろう。
2003/10/9 家族同然の付合いをしてきた『お友だち』が、どうも実家に入れずにいるらしい。
旅行に出掛けているのか、引っ越ししてしまったのか、判然とはしないが、ひがな一日neco家の玄関先で過ごしている。
ロッキーママがちょっと食べては、また後ほど、と置いておくご飯も、『お友だち』の胃袋の中にあっけなく収まり、散歩から戻ったママは、空のご飯皿を見つけて呆然とするばかり。
ロッキーママをだっこしようとログハウスの入口カーテンを開けると、『お友だち』がのんびり横たわっている。
ファイトがいなくなって、独り寂しい時間を過ごすことになったママには、『お友だち』は良き茶のみ友だち。
このまま、neco家の猫になったらいいのに。
2003/10/5

誰の猫パンチにも怯むことなく、マイペースを守って生活していたチビタだが、
思い出したように八の字歩行を繰り返すなど、九死に一生の事故のなごりは体のすみずみに巣食っているようだ。

それでも、最近は随分、私たち家族に気を許すようになってきた。
撫でようとする手に怯えることもなくなった。
それどころか、私たちが仕事に出かけるときは、玄関まで見送りに来るし、帰ってきた気配に気付くと、2階から急ぎ足で降りて来て、迎えに出るようになった。

neco家に来て1年半。
チビタのゆっくりとした変化は、私たちの宝物だ。

2003/10/2

爽やかな秋晴れの空が広がっている。
暑からず寒からず…
外に暮らす猫たちにとって最高の気候だろう。
キャラインも体調がいいらしく、愛らしいまあるい顔をガラス戸にくっつけて、ご飯をねだる。
たっぷり食べたあとは、物置きの屋根に移動して、秋の陽を浴びながら、身繕いにせいを出す。

夜中、ロッキーママもの鈴の音が軽快に響く。
夜行性をもろに発揮しているのか、夜中の散歩が続く。
疲れれば、外の小屋でのんびり眠る。
4つある小屋を気分次第で使い分けているとみえ、食事を持っていくと、その時の好みの小屋に案内する。

心地よい季節のなんと短いことか。
遠からずやって来る冬を思うと、今を存分に満喫してほしいとしみじみ思う。

2003/9/28 昨日、本当に久しぶりに浅草に出掛けた。
仲見世は、大変な賑わいで、日本はまだまだ大丈夫みたい、などと一人ごちるほど。
大小さまざまな招き猫を並べるお店もいくつかあり、押し掛けるお客さんにつぶされそうになりながらもウィンドー・ショッピングを楽しんだ。
浅草と言えば今戸の近く。
今戸焼の招き猫もあったのだろうが、お店の人と話すこともままならず、今回はギブアップ。
子供が喜びそうなフッワフワの猫の縫いぐるみをおみやげに会社に戻った。
この縫いぐるみ、触るとなんとも心地よく、仕事の合間に触ってはほっと一息ついている。
2003/9/25 30℃を超える真夏日が続いた9月も、台風が去った途端に冬となった。
エアコンも冷房から暖房に切り替えた。
ついこの間まで冷房病で鼻が止まらなかったニセドも、今朝は温かい風が降りてくる所に寝ころんで暖を取っている。
鼻もすっかり止まった、

雨の日も、用意した小屋に見向きもしなかったキャラリンがちゃっかり小屋の中で眠っている。
猫はちゃんと知っているのだ。
今、どこが一番気持ちがいいかを…
2003/9/21 日夜を問わず、用もないのに大きな声を張り上げて鳴くのがニセド。
はた迷惑なその声が、本当に久しぶりに耳に届いた。
いよいよ本調子になってきたと見える。
この2日ほど冷房をつける時間が減ったが、それに合わせるような回復ぶりだ。
冷房の不自然な涼しさは、猫には負担なのかもしれない。
一人遊びを再開したニセドを見て、弟妹たちも嬉しいのだろう。
全員が妙にハイパーになっている。
病人がいると、どうしても家の中が暗くなりがちだが、猫の家族も人間と変わるところはないようだ。
2003/9/18

キャラリンがようやく元の指定席に戻ってきた。
これで、ロッキーママとの諍いもなくなる。

ニセドの風邪は大分快方に向かっているが、それでも鼻水が止まらず、呼吸するたびにずるずると音がする。
これで2週間…随分長引いている。
元気のないニセドに家族の注意は集中してしまうのだが、ぬーちゃんはそれが気に入らないらしい。
おばあちゃんを取られてなるものかと、2階で寝るのも止めて、おばあちゃんにくっついている。
他の弟妹はニセドを気遣っているというのに…

長男ニセドと末っ子ぬーちゃんの猫模様が面白い。

2003/9/14

歯の治療で入院したロッキーママが退院してきた。
一泊入院の予定が、熱を出したこともあって、5泊になった。
治療といっても、ほとんど抜歯する状態だったから、無理もない。
顔がまた一回り細くなった。
脳天気な母さん猫だが、しばらくは慎重に様子を見ていかなくては…
ロッキーママがいない間、ほとんど姿を見せなかった「お友だち」も、またいつものように早朝からやって来るようになった。

多頭飼いの一番の問題点は、見ていても見ていないということだ。
漫然と見ていると、だれがどんな様子か、確かな情報とならない。
意識して見なければならない。
意識しなくても様子がおかしいと気付く頃には、状態はかなり悪くなっている。
食欲やトイレの様子など、病気の予兆を見てとるには、だれがどんな様子か、一匹一匹頭の中のリストをチェックするように観察しなければならない。
ニセドは、クシャミと鼻水がまだ止まらない。
今日もまた病院へ行く。

キャラリンが帰ってきた。
と言ってもいつもの庭先にではなく、ロッキーママのいる玄関先に陣取っている。
ロッキーママはキャラリンに喧嘩をしかけたようだ。
もう歯もないのに…
キャラリンは、ロッキーママなど恐るに足らずと思っているのだろうか。

2003/9/11

昨日、neco家の一軒おいた隣が火事になった。
2階から出火してほぼ全焼。
幸いそのお宅は全員留守で、死傷者は出なかった。
neco家にも火の粉や放水の水が降り、家を出たり入ったりの大騒ぎをしたが、猫たちは、いつになく静かだった。
全員寝ているわけではない。
しっかり目覚めていながら、しんとしている。

人がいる時ならまだしも、留守中に火元になったり、類焼したり、ということになったら、完全室内飼いの猫たちの安全をどう確保したら良いのだろう。

鎮火するまでに3時間。
やれやれと思った途端に、胃が痛くなった。

2003/9/7

ニセドの熱は下がったが、本調子とはほど遠い。
食欲もなく、体に触れられるのを嫌って、一人洗面所のマットの上や、押入の中で横になっている。
普段は用もないのに昼夜を問わず大きな声で鳴き、neco家の騒音の90%を生み出しているニセドだけに、
その静寂は家族を不安にさせる。
お医者さんに連れていくのが遅れ、病状を悪化させてしまったのだろうか。

ロッキーママは、昨日歯の治療のために入院した。
今夜退院してくるが、これで痛みから解放され、また食事を楽しむことができるだろう。

2003/9/5

一旦だれかが病院に行くと、次から次へと病院通いが続くものだ。
つい先日ぬーちゃんが原因不明の胃炎でラブリー先生へ行ったばかりだが、続いて、ロッキーママが歯槽のう漏の治療をしていただくことになった。
それに加えて、今度はニセドの具合がおかしい。
目には瞬膜がかかり、なんとも元気がない。
どうも熱がありそうだ。
というわけで、入れ代わり立ち代わり、ラブリー先生に通っている。

案の定ニセドは40度近い熱があった。
夏風邪をひいたようだ。
多頭飼いの場合、気をつけているつもりでも、「そういえば、この2、3日元気がないかも…」という具合に、異常に気付くのがワンテンポ遅れてしまう。
猫は、痛い、苦しいと訴えられないのだから、もっともっと注意深く見ていてあげなくては…

2003/8/31 このところ、ロッキーママが妙な所で寝ている。
おばあちゃんの三輪車の後ろのカゴの中だ。
三輪車はいつもカバーがかかっているので、カバーの下からカゴに入り込むことになる。
これなら雨もしのげるし、下から風も入る。
それにしても、ゴツゴツで寝心地はいいとは思えない。
空っぽの特別室4室を眺めていると、ハタと閃いた。
特別室に置いてあるクッションやらタオルにノミやらダニやらがくっついているのでは…
早速全部洗って天日に干した。
それが分かったかのように、その晩からロッキーママは元ファイトの特別室に戻った。
2003/8/29 昨日、一昨日と高円寺は阿波踊りで沸きかえった。
『雨』という天気予報もいい具合に外れ、いつになく涼しい夜は踊り手にも歓迎されたに違いない。
necoの事務所は高円寺駅前にあるが、日中は平常通りの仕事だから、『見る阿呆』の特等席を確保することもできず、毎年お囃子をBGMに、事務所の中で宴会となる。
このイベントで、高円寺の夏も終りを告げる。
この夏は、雨にこそ祟られたが、アイランドヒートの身の危険を感じるような猛暑もなく、外で暮らす猫たちも雨宿りさえできれば過ごしやすい夏だった。
こうして夏を過去形で話すとき、何とも寂しい気分になる。

キャラリンは、たった10日のドカ食いの後、早くも断食モード突入。
嗚呼…
2003/8/24 猫三昧には、猫に思いを寄せる素敵なお客様が立ち寄ってくださる。
T思いを寄せるUと云っても、その形は十人十色で、それぞれのT思いUを聞かせていただくのは、この上なく楽しい。
過日、猫45匹+犬1匹と暮らしている方が来てくださった。
neco家の4倍!!
完全室内飼いをしておられる。
日々のトイレ掃除や食事の世話、病院通い、etc.etc.…
気が遠くなりそうだが、彼女の口からはT大変Uという言葉は、一度も出てこなかった。
なんて素敵な出逢い!
たくさんの勇気とエネルギーをもらった気がする。
2003/8/21 前回更新した17日、キャラリンが戻ってきた。
今回は断食期間が短かっただけあって、体力はさほど落ちていず、さっそく旺盛な食欲をみせている。
だが、固い毛束になってしまっている身体に、大きなな枯葉をひっつけて歩く姿は、可愛い顔とあまりに似つかわしくなく、不憫でならない。
neco家に来るようになって15ヶ月。
ようやく、ご飯を食べている間だけは撫でさせてくれるまでになった。
お風呂に入れてあげられる日を夢見て、あせらず付合っていこうと思う。
2003/8/17 0月中旬の気温と、止む事を知らない雨…
今年は、夏を諦めなければならないのだろうか。
近くの神社の杜から聞こえる蝉の声も遠慮がち。
季節はずれだと感じているのかもしれない。
これで丸3日散歩もままならないロッキーママを家に入れようと思ったが、「家に入る位なら、雨に濡れても散歩をするわ」とばかりに、necoの姿を見るなり逃げ出した。
キャラリンはどこで雨空を見上げているのだろうか。
2003/8/14 10日からキャラリンが姿を隠した。
毎度のこととは云え、痛かろう、辛かろうと不憫でならない。
涼しいのがせめてもの救い。
秋雨を思わせる雨も、どこかでしのいでいるに違いない。
この夏休み中に、2、3回銀座に出掛けた。
例の数寄屋橋公園の猫たちは、すっかり代替わりしてしまっていた。
生後1年に満たない猫が3匹と大人の猫1匹、お皿に盛られたご飯をゆったりと食べていた。
ピンクパールのピアス嬢をはじめ、昨年の夏にいた猫たちはどこへ行ったのだろう。
植え込みの中に残飯が散らかることもなく、世話の行き届いた地域猫たちなのに…
2003/8/10 台風10号が日本各地に大きな爪痕を残して通り過ぎていった。
東京は8日の夜中から9日午前中にかけて通過するという天気予報に、8日の夜、いやがるロッキーママを家に連れ込んだ。
2階にママのベッドを持ち込んだものの、平気でドアを開けてやってくるトンちゃんを思うと、うかうか眠ることもできない。
2階には、ロッキーママとエリちゃんだけ。
エリちゃんは、ロッキーママにご飯や水の場所を教えようとしているのか、何度となく、無闇に大きな音を立てて、ドライフードを食べて見せる。
エリちゃんとはまずまず平穏に過ごしたママだったが、外に出たい一心で泣き続け、結局、台風待ちのまま、明け方に解放することになった。
この徹夜は一体何だったんだろう。
とは云え、ロッキーママも寝ずに泣き通したのだから、おあいこかもしれない。
2003/8/7 阿佐ヶ谷の七夕祭りに出かけた。
商店街の七夕飾りの下を、ぶらぶらと歩く。
お店を一軒ずつ冷やかして歩くのだから、2時間掛かっても商店街の半分も行き着かない。
それでも、ベルギー製の猫柄のクッションカバーを1枚500円でゲットするなど、手の荷物は膨らむばかり。
昨年の今日もこの七夕にやってきたが、暑いとはいっても、一年前とは格段の差。
一年前は、紫外線避けの傘をファイトに差し掛けていたっけ…
2003/8/3 neco家の先住者は今朝初めて子猫と顔を合わせた。
顔を合わせたと云っても、子猫はもはや彼らを見ることはできなかったが。
動かなくなった子猫に恐る恐る近寄っていっては、そろそろ後ずさりしてその場を離れる、という動作を繰り返したのはエリちゃん。
興味を持って近付き、顔の臭いを嗅いだあげく、踵を返したのはぬーちゃん。
宮沢さんも同じく臭いを嗅いでいたが、そっと耳を舐めてあげた。
トンちゃんは、耳を後ろに向けて警戒レベル最高の意思表示。
おばあちゃんが抱いて近くに連れてくると、何とおしっこ漏らした。
こんな先住者たちだが、子猫が元気を取り戻していたら、きっと良い遊び相手になっただろうに…
2003/7/31 今日はロッキーの誕生日。
(ぱぱちゃんは、命日を誕生日と呼ぶ。)
毎年この日に、ほんのわずかしか一緒に暮らせなかった猫たち3匹と一緒に晩ご飯を食べる。
そして何かしら一つ、一人一人にプレゼントを贈っている。
最初の年は、天国で遊べるように、カラフルなビーズのついた紐を、翌年は、渡辺順子さん作のガラスのお皿と小さなグラスを、今年は、櫻井理人さんの回青の色も鮮やかな小皿をプレゼントした。
晩ご飯は決まってお弁当。
ロッキーと一緒に出掛けたお花見を偲んでのことだ。
それぞれのお弁当から、猫たちの一番好きそうなものをプレゼントしたお皿に盛る。
グラスには、猫柄ラベルのワインを注ぐ。
御馳走を前に、写真の中のロッキーたちも微笑んでいるようだ。
1年が経ったことが、お正月よりも感慨深く思える。
2003/7/27 テリー今野さんが、NECOZANMAIを訪ねてくださった。
こうして猫アートのお店を開いていると、ぱぱちゃんも驚く程腰が重く、日がなパソコンと向き合っているnecoの元にもアーティストさんが来てくださる。
嬉しいことだ。
アーティストさんのお話を伺っていると、ご自身の作風、選ぶべきモチーフ等を模索し続け、
日々産みの苦しみをなさっていることを知らされる。
でも見る側は、作品自身を見ればよい。
作家の手の内にある間は、作品は作家のそれを生み出す背景にどっぷり浸かっているが、いったん作家の手を離れると、作品は独立した存在となる。
そして、その作品が見る者の前に置かれたとき、今度はその作品に見る者のバックグラウンドが投影されるのだろうが、こと、猫のアートについて言えば、作家がいかに猫と向き合っているのか、その作家にとっての猫は何なのか、ほぼ正確に感じ取ることができるのは不思議だ。
2003/7/25 今回の断食明けのキャラリンは、いつになく回復が早い。
口は痛そうだが、それでもあっと言う間に胃袋底抜け状態になった。
だが、なんとなくキャラリンがよそよそしいのだ。
雨模様が続き、食べるとすぐに雨宿りできる秘密の住処に移動してしまうせいかもしれないが、いつものすっかり頼り切ったような様子も見えなければ、病気を抱えた弱々しささえも感じられない。
痛みは残っていても、気候の関係で体調がいいのだろうか。
いかにも頼りなげな痛々しい姿を目にするのは辛いが、一人でも生きて行けると言いたげな様子には、一抹の寂しさを感じてしまう。
何とも勝手な言い種なのだが…
2003/7/20 ロッキーママも、家に入れれば「フーッ、ハーッ、シャーッ」と実の子に怒ってばかりだが、
それでも、家に抱いて連れていかれるも、独り外で寂しかろうと気遣ってのことと、理解はしているようだ。
家の中は決して居心地は良くないのだろうが、「まあ、今日は捕まってあげてもいいか」という日は、夜帰宅したneco夫婦を、門灯の上か、塀の上か、自分の部屋かで出迎え、決して逃げない。
ところが、「今日は絶対家の中は嫌!!」という日は、同じように出迎えても、必ず捕まらないだけの距離をおく。
手を伸ばすと、脱兎のごとく逃げるのではなく、ゆっくりのんびり、人を小馬鹿にしたようにすり抜ける。

昨日は捕まってもいい日だった。
多少、実の子軍団にも慣れたと見え、威嚇することもなく、カニカマなど食べて過ごしていたロッキーママだったが、突然、「はい、今日はここまで。さいなら」とばかりに、玄関に向かった。
そのママをらーちゃんが身を低くして追い掛けた。
necoの駆け付けるのが一瞬遅れた隙に、らーちゃんはママに馬乗りになって首筋を噛んだ。
「ギャーーー」という悲鳴と同時に、興奮したらーちゃんを取り抑え、隔離したが、ロッキーママはその後もおばあちゃんにしがみついて、誰彼かまわず威嚇し続けた。
せっかく、少し馴染んできたというのに…
親子の共同生活は、まだまだ遠い先のことになりそうだ。
2003/7/17 このところ、1階軍団の夜遊びがひどい。
丑三つ時に、ニセドが用もないのに大声でおばあちゃんを起こすのは毎晩のことだが、それに加えて、トンちゃん、宮沢さんがウッドデッキでドッシン、バッタンの大運動会を開催している。
昨晩は、チビタとらーちゃんまでが2階で鬼ごっこを始めた。
お陰で人間たちは寝たか寝ないかの夜が続いている。

昨日、キャラリンがやって来た。
あれほど好きだったミルクには顔を背けたが、ペースト状の猫缶を食べて、またどこかへ消えた。
2003/7/13 キャラリンがとんと姿を見せない。
毎度、断食明けが近付くまでひっそり姿を隠しているのだが、今回断食に入って10日が過ぎた。
そろそろ姿を現してもいい頃なのだが…。
一体どこで、病んだ身体を横たえ、雨露をしのいでいるのだろう。
2003/7/10 ロッキーママの元気がない。
今では、4つあるお外の特別室を気分に合わせて使い分けているママだが、どの部屋にいても、表情が冴えない。
食欲も今一つで、ママだけに特別に買ってくる美味しそうな猫缶も、ちょっと口をつけては散歩に出てしまい、結局『お友だち』の胃袋に収まる。
今朝お風呂に入ると、ママが窓の外からこちらを覗いた。
窓を挟んで、綱引きをしようと、タオルを差出した。
目を2倍に大きく、真ん丸くしたママは、待ってましたとばかりにタオルに飛びついた。
タオルにじゃれること5分。
ぷいと窓辺を離れてしまったが、こんな小さな楽しみをたくさん作ってあげたいと思う。
2003/7/6 我が家がヒチコックの『鳥』と化した。
以前からカラスが『お友だち』とロッキーママのご飯を狙っていた。
外の小屋の中にまで入り込み、キャットベッドごと引っ張り出すこともあった。
ところが、今朝、異様な気配に窓を開けたぱぱちゃんは、塀と屋根の上にずらりと並ぶカラスを発見。
その数は20羽をゆうに超していたという。
思い掛けない近所迷惑を引き起こしてしまった。
明日からは、外で食べる猫達のお食事が終るまで、
そばで見張っていなければならない。
おばあちゃんの仕事がまた一つ増えてしまった。
2003/7/3 キャラリンは、いよいよ昨日から絶食モード突入。
らーちゃんは、両耳に糜爛をおこし、外耳炎になってしまった。
陽気が悪いと、猫たちも体調をくずしがちだ。
ニセドとエリちゃんは、元気は元気だが、夜になって立続けに脱走。
「ストレスがたまっちゃってさ」と言いたげだ。
夜中の2時半まで、帰りを待ち続けたこちらの身にもなって!!
2003/6/29 キャラリンの6月は調子が良かったのか、悪かったのか。
6月初旬に再び食べ始めてからも、こざっぱりと愛くるしい表情を見せるまでに随分と時間がかかった。
何とか食べ続けていると云っても、口の痛みはずっと続いているようだし、途中、いよいよ絶食が始まるか、と心配することもしばしば。
薬も慢性化して、効き目が鈍くなってしまったのかもしれない。
それでも、食事の目先を変えて、食欲を繋ぎ、なんとか4週間が経とうとしている。
2003/6/27 昨日、ファミレスに入った。
隣の席に、伝い歩きする位の赤ちゃんを連れた家族がやって来た。
席につくなり、その赤ちゃんは、呼び出し用のボタンを押した。
「こら、押しちゃだめ」というお母さんの言葉が分かるかどうかの、ほんの赤ちゃんがボタンを押したのだ。
いつもなら、ニコリと笑ってお終いだったろうが、この日に限って、necoは考え込んでしまった。
我が家の猫たちは、人間の歳で30歳にもなるけど、いたずらにもボタンは押さないだろうなあ…
そう思った途端、人間の赤ちゃんのすごさに、感動してしまった。
2003/6/22 neco家では年に一度のワクチン接種の時期が6月に7匹と集中している。
昨年は、大型犬用のトラベルキャリーに4匹詰め込み、小型のキャリーに2匹、そしてもう一匹を洗濯ネットに入れて抱いていったが、
今年は、2回に分けることにした。
そして一昨日、第一陣、ロッキーママとぬーちゃん、エリちゃん、トンちゃんを連れていった。
車の中で泣き続ける4匹。
ロッキーママとトンちゃんの声がそっくりなのに気付き、改めて親子だなあと、感じ入ってしまった。
それにしても、昨年7匹一度に連れていけたのに、今年は4匹がせいぜいだったのは、やはりnecoの年のせい???
2003/6/19 ロッキーママの表情が冴えない。
あのクリクリっとした、いたずらを探す子供のようにキラキラ輝く目が梅雨空のように曇っている。
寂しいのかなあ…ファイトがいなくなって。
猫じゃらしを振っても、お愛想程度に手を伸ばすだけ。
抱いて家の中に入れても、我が子に怯えて、威嚇するばかり…
今までも決して平坦な道のりではなかったママだもの、何とか、楽しい毎日を送ってほしいのだけれど…
2003/6/15 トンちゃんの顎の下に直径1センチほどの赤剥けができた。
今度は、トンちゃんの顎の下に直径1センチほどの赤剥けが見つかった。
そう言えば、ニセドにも、ぬーちゃんにもあったなあ。
これは、おかしい。
という訳で、よ〜く観察していたら、犯人が見つかった。
本家、宮沢さんだ。
宮沢さんは、時折、首に噛み付き、相手がギブアップしても放そうとしない。
こう犠牲者が続出しては、対策を講じなければならない。
夕べから、反撃の仕方の講習会を開いている。
2003/6/12 『お友だち』が随分痩せてしまったように思う。
はじめは、お家の人にブラッシングをしてもらって、すっきりしたためだろうと思っていた。
でも、毛もどんどんまばらになってきている。
元気がないわけではない。
相変わらずロッキーママをお追いかけ回しては、お腹を空かせ、ロッキーママのお皿にまで顔を突っ込んで、ぱくぱくご飯を食べている。
ふと、食べても食べても痩せる一方だったファイトを思い出す。
猫エイズなのかもしれない。
一日の大半をneco家で過ごしているとはいえ、『お友だち』はご近所の飼い猫。
お医者さんに連れていってもらえるといいのだけれど…
2003/6/10 neco家に静寂などありようもないが、
ことの他大きな声で家中の空気を切り裂くのがニセド。
朝は2時から大泣きをはじめ、
日中も起きてさえいれば、大泣きを続ける。
長男でありながら、一番の甘えん坊で、自分一人に手を焼いてもらいたいのだろうが、大泣きの原因はそればかりではない。
外に出られないことのイライラが手伝っているのだ。
ハーネスを着けて外を歩くなんてまっぴらご免、一人で行きたいところに行くんだ!!
というわけで、隙あらば脱走をと考えている。

「無理もない」とニセドに同情する心に鍵を掛け、耳を塞いで
今日も賑やかな一日が始まる。
2003/6/8 このところ、室内8匹の間で小さな小競り合いが起こっている。
相変わらず『らーちゃん』が標的になることが多いが、『らーちゃん』に加勢するのはエリちゃん。元2階組のよしみだろう。
先日、居間の隣の部屋で取っ組み合いが始まった。
ニセドと宮沢さんだったろうか。
その穏やかではない雰囲気に、チビタが隣室に飛んで行った。
飛んで行ったと言っても、いつものチビタのトットットッというペースなのだが。
そして2匹の間を分けるように頭を突っ込む。
不意の仲裁者の出現に、2匹は唖然。
取っ組み合いは中断、そのまま終りになった。
いつも誰かに擦り寄るばかりの『おまけ』みたいなチビタが、独立した存在をアピールした出来事だった。
2003/6/5 2、3日前から家の周りで蹲る姿を見かけるようになったキャラリン。
もうそろそろラマダン明けだと思っていたが、
案の定、昨日、所定の場所にやってきて、
無事、ご飯のおねだりとなった。
それでも、身も心も本調子とはほど遠く、
小雨降る中、自分の小屋には入ろうとせず、
半身を雨に濡らしながら、エアコンの室外機の上で眠っている。
2003/5/31 5月だというのに、台風がやって来た。
強まる風と雨…
どこに隠れているのか、キャラリンの姿が見えない。
サバランも結局どこかの飼い猫だったのだろう。
お家にいなくちゃダメと叱られたに違いない。
ぷっつり姿を見せなくなった。
クロちゃんも遊びに来なくなって久しい。
通い猫は、やって来たら来たで、時を構わず『ギャーギャー』と大騒ぎになり、寝不足と心痛の種だが、頭数が減ったら減ったで、何とも寂しいものだ。
2003/5/26 五月晴れの日はいったい何日あっただろう。
今日もどんより曇り空、ときどき小雨がパラつく肌寒い一日。
断食中のキャラリンは、昨日からまたneco家に戻った。
まだ口が痛いらしく、時折跳ねるように飛び起きては、夢中で口を拭う。
今朝は、小屋にも入らず、地面に置いてある御座の上で小雨に濡れながら丸まって寝ていた。
断食中は行動も奇妙だ。
2003/5/23 ロッキーママが何かに夢中になってじゃれついている。
近寄って見ると、それは子雀。
そっと手に取り、ベランダに連れていく。
neco家の猫たちは、窓越しに見える小さな鳥に、何とも言い難い泣き声をあげ続ける。
鳥を飼ったことのないneco家の面々はどうしたら良いのか分からず、おろおろするばかり。
何かの拍子に巣から落ちてしまったのだろう。
元気よくチーチーと鳴き、翼をばたつかせるが、十分に飛ぶことができない。
その鳴き声を聞きつけた親鳥がやってきた。
だが、猫の親のように口にくわえて連れ帰ることはできない。
取りあえず、猫のキャリーに入れた。
親鳥が餌を運べるように扉を開けておきたいが、カラスの餌食になってしまうかもしれない。
どうしたものか…
2003/5/20 きのうから、キャラリンは断食モードに突入。
具合の悪い素振りの全くないまま、突然のギアチェンジだ。
時を同じくして、neco家は、新顔を迎えた。
サバトラでまっすぐ伸びる長い尻尾の持ち主だ。
一歳になっていないのではないかと思う。
顔は、カルカンの宣伝の『いい子でいさせて〜』と言っている子にそっくり。
顔に似合わなぬ可愛い声で『ぼく(あたし?)ここだよ〜』と鳴く。
さっそく『サバラン』と命名。
neco家の住人になるのだろうか。
2003/5/17 "NECOZANMAI" のショップは、日に日にアイテムが増えて、
お店では飾る場所がないと悲鳴を上げ、オンライン・ショップは実に利用しにくくなるばかり。
何とかしようと一念発起。
necoの手作りながら、ショッピング・サイトをフル・リニューアルしました。
ちょっと覗いてみてください。
お気付きの点がございましたら、ぜひご連絡を。
2003/5/16 もう梅雨に入ったのかと思われるような鬱陶しい雨空を、恨めしそうに眺めるのは人間だけではない。
ロッキーママとキャラリンも、外組の特権の散歩が楽しめず、所在なく自室で丸くなり、雨が止むのを今か今かと待っている。
暑からず寒からず、爽やかに晴れ渡った日は本当に数えるほどしかないものですね。
2003/5/12 近頃、チビタは一人でご飯を食べると主張するようになった。
ご飯皿に首を突っ込んで格闘すること小一時間。
お皿のご飯はチビタのお腹に収まっているというより、お皿の外にはみ出しているのだが、それでも自分で食べたという満足感はあるのだろう。
さすがに疲れると見えて、食後は一人2階に引き取り、ぐっすり眠る。
でもお腹は満腹とは程遠く、背に腹はかえられなくなると大人しくご飯を食べさせてもらう。
自分でできることでもやってもらいたがるのは人間だけかな…
2003/5/8 昨日、キャラリンが恒例の断食&家出から戻ってきました。
今回は、10日ほどの断食。
毎度のこととは云え、一口食べるごとに、後足で立ち上がり、必死で口を拭う様子を見ているのは、辛いものです。
でも痛みを堪えて食べてくれるキャラリンは、エライ!!
じきに薬が効いて楽になるからね…
2003/5/3 本当の飛び石で、大型連休にはならなかったこのGWですが、お天気には恵まれましたね。
みなさんは、どんな休日をお過ごしですか?
necoは休日を返上しても、追い付かない程仕事が山積。
ドリンク剤が体の栄養、猫たちを眺めるわずかな時間が心の休息です。
2003/4/29 薬の投与の仕方が良かったのか、キャラリンは1ヶ月、満腹を知らない食欲で、底なしの胃袋にご飯を詰め込み続けた。
気候が良くなったことも関係しているのかしら、と安心して眺めていたが、どうもこの2日程食べっぷりが悪くなった。
また、断食モードに入るのかもしれない。
ご飯に混ぜている薬は常用すると副作用も出てくる。
その薬の毒気を断食で流してしまうのだろうか?
そうだったらいいのだけれど…
2003/4/26 お盆が倒れたといって、右往左往逃げ惑うneco家の臆病猫たち。
今朝は一体、何があったというのだろう。
ダダダダッという地響きのする足音だけなら毎度のことだが、
今朝は取っ組み合いの喧嘩の声がこれに続いた。
『お友だち』がだれかと喧嘩?と思いきや、
声の方向は我が家のウッドデッキ。
慌てて駆け付けると『らーちゃん』が鼻息荒く逃げ込んで来た。
眉間には長さ8センチの引っかき傷がザックリ。
相手は何と『ぬーちゃん』。
『ぬーちゃん』は、無傷で大きな体をゆらしながら後を追ってきた。
ウッドデッキには白い毛の束が一面に散っている。
お陰で、しばらくは安心して家を開けられない。
やれやれ…
2003/4/24 帰宅すると真っ先にファイトの部屋を覗く。
もしやと思い…やっぱりと諦め、そしてドアを開ける毎日。
でも家に入るときは、ロッキーママも一緒だ。
ロッキーママももう12歳。良きパートナーを失って、どんな思いだろう。
室内に入れば、群れなす我が子に『シャー!』と威嚇し続けるママだが、
また家の中で一緒に暮らそうというこちらの意図を汲んでか、
一時間は家の中にいるようになった。
今日61分、明日62分…一分ずつでもいい。
いずれ24時間、一緒にいられるようになれば。
2003/4/20 日記に綴った通り、もう二度とファイトと会えそうにありません。
17年半の時の流れ…
今は心の扉に錠がおりているようで、
この事実を頭で認めながらも、心で受けとめることを先送りしよとしています。
17年半は人間にとっても一つの時代。
いずれ、ゆっくりこの時代を遡り、丁寧に振り返ってみたいと思っています。
2003/4/18 今日は、4月18日は『猫三昧』開設祈念日!!
お陰様で、無事一年が過ぎ去りました。
この一年は、これまでの40数年のどの一年より、充実した実り多いものでした。
みなさまのあたたかく心強いサポートに、厚く御礼申し上げます。
これからも、このホームページを私のライフワークとして
楽しく、積み上げていきたいと思っております。
変わらぬご支援をよろしくお願い申し上げます。
2003/4/15 一日に二度ブラシをかけても、その度にピンポン球大の毛が抜ける。
私たちが厚いコートを脱いだように、猫たちも薄着になろうとしている。
キャラリンは、トレッドヘアのように毛が束になっていて、ブラシも通らない。
もっともブラシなど見せようものなら、脱兎のごとく逃げ出してしまうのだが。
それでも、薄着になりたいキャラリンは、口で毛束を引っ張ったらしい。
ウッドデッキには大きなな束が8つ、9つ。
そしてキャラリンの胴の左右に直径5センチの赤剥けが一つずつ。
痛いだろうに…。
2003/4/11 ファイトがこの2、3日でガクンと弱ってしまった。
相変わらず、お風呂に入るとやって来ては蓋の上で過ごしているが、目は細く開けただけで、何を見ているのかいないのか。
カツオのタタキも、なまり節も、お刺身も、もういらないという。
頭や顔まで骨が目立ち、ゴツゴツの腰をひょろひょろさせながら、それでも散歩に出かける。
今日はラブリー先生に出かける日。
少しでも気分が良くなってくれればいいのだが…
2003/4/8 今日、明日、東京は花散らしの雨風というさんざんなお天気。
昨年は、例年にない早咲きでお花見のチャンスを逸しているだけに、今年だけは何とか、と思っているのに、先週に続いて今週の水曜日もまた雨とは…
そんなに日頃の行いが悪い?
2003/4/5 昨日ファイトはラヴリー先生に出掛け、インターフェロンの注射と輸液をしていただきました。
体重も100g増えて…
ファイト爺は毎夜、お風呂の蓋の上で過ごし、天気のいい日中は、よたよたながら散歩に出掛け、ロッキーママと連れ立っておばあちゃんのゴミ出しにもついて行きます。
2003/4/3 週一のお休みの水曜日。桜は満開。
今年はエリちゃん、宮沢さんと一緒にお花見弁当を持ってお花見に!!
ああ、それなのに、見事にこの日だけ雨。
週間天気予報では来週も水曜日だけ雨とか。
ああ、ああ…
2003/3/31 退院したファイトを何とか家の中で過ごさせたいと思っているいのだが、
何度連れて来ても、即座に玄関にとって返してしまう。
お風呂の蓋の上でねそべるのがせいぜいだ。
今朝は、ロッキーママと二人、出かけるnecoたちを見送ってくれた。
春の柔らかくあたたかい陽射しが弱ったからだを柔らかく包んでいる。
2003/3/29 ファイトは本日退院。
ロッキーママはさぞ喜ぶことだろう。
早く家に戻って、やさしく撫でてあげたい。
キャラリンは、昨晩も何を思ったか、ぷいと家を出たまま戻らず。
気ままにやっているのだから、もう心配しないぞ、と固く誓っても、空のログハウスは心寂しい。
今朝ログハウスを覗くと、いつ戻ったのか、どうしたの?と言いたげな表情でこちらを見ている。
やっぱり、もう心配なぞするものか!!
2003/3/23

昨日、おばあちゃんがうっかりロックし忘れたガラス戸から、チビタとエリちゃんを除く6匹が脱走した。
ぬーちゃん、ゴンちゃんはつられて外に出たものの、すぐに戻った。
トンちゃんとニセドは、めったにないこの機会を存分に楽しみ、おばあちゃんの心配をよそに、暗くなってからのご帰還となった。
問題は、らーちゃんと宮沢さん。
らーちゃんは、鉢合わせした『お友だち』に突進し、くんずほぐれずの格闘となってしまった。らーちゃんの勢いは猛烈で、おばあちゃんもなかなか仲裁に入れなかったという。
ようやく一段落したと思ったら、今度は宮沢さんが『お友だち』に飛びついた。日頃から『お友だち』が気に入らない宮沢さんは、ガラス戸を隔てていても背中の毛を立てていたくらいだから、この時とばかりに攻撃をしかけた。一難去って、また一難。『お友だち』は、おばあちゃんに「何とかして!!」という視線を送り続けた。今度は早々に二匹を引き離すことに成功。

これに懲りて、しばらくはneco家には踏みいらないだろうと思われた『お友だち』だが、今朝もしっかり、neco家で朝食を召し上がった。
らーちゃんは、右手を負傷。かなり腫れてビッコをひいている。
宮沢さんは、鳥が出てくるいつものテレビ番組がイラク戦争の報道でつぶれ、不満気だ。

2003/3/21

キャラリンは姿を見せない。
食べられなくなって、もう18日。
「キャラリン、まだ帰ってこないね」と声に出して言うのも辛くなり、みんな、人に気付かれないように、黙ってちらっちらっと空のログハウスに目をやるばかり。
諦めなければならないのかもしれない…
それでも、ニセド、トンちゃん、宮沢さん、らーちゃんは、じっーと空のログハウスを見つめ続ける。彼らは決して諦めていない。
ずーっと帰りを待っている。

キャラリンのことばかり案じていたが、クロちゃんもずっと姿を見せていない。クロちゃんは、おそらくどこかのお家の飼い猫だと思うのだが…。

クロちゃんに代わって毎晩やってくるのが、寄り目の雉トラ君。
大猫揃いのneco家だが、その誰よりも大きい。
夜もneco家で過ごす『お友だち』と鉢合わせしては、大声で威嚇しあう。
お陰で、夜中に仲裁に入ること、3度、4度…

2003/3/18 行方知らずの老猫ファイトを探して、
おばあちゃんはそぼ降る雨の中、痛む足を引きずって近所を歩き回った。
塀の隙間から中を覗く姿は、この上なく怪しかったに違いない。
それを知ってか知らずか、ご当人はびしょ濡れになって戻ってきた。
外の特別室をめぐって、ロッキーママと気まずくなってのミニ家出だったらしい。
急遽、特別室の模様替えをし、何とか二人はそれぞれのお部屋に収まった。

明け方、猫の縄張り争いの唸り声が聞こえた。
一方は明らかに雌猫。
ロッキーママは、特別室にいたというから、声の主はキャラリンか。
早く姿を見せて。
2003/3/16 キャラリンが戻らない。
宮沢さんも、らーちゃんも、トンちゃんも、ニセドも、
主人のいないログハウスを何度となく食い入るように見つめる。
らーちゃんは、ログハウスに向かって、切ない泣き声をあげる。
宮沢さんは、空のログハウスと私の顔を代わる代わるに見る。
誰の胸の内も一緒。
今朝はファイトまでが姿を消して戻らない。
春の陽に誘われての、ちょっと遠出の散歩と思いたいが…
2003/3/14 キャラリンが再び姿を消した。
毎朝、もう戻っているかと、起き抜けにログハウスを覗いては肩を落とし、
毎晩、もう戻っているだろうと、帰宅一番にログハウスを覗いてはため息をつく。
姿を消して今日で4日、断食モードに入って12日。
10日もすれば、また食べるようになると、幾分慣れっこになっていたneco家の面々も、
いよいよ心配がつのる。
いったい、どこで、どうしているのだろう。
昨日、今日の春らしい柔らかい陽が、飢えて冷えきった体を優しく温めてくれているといいのだが…。
2003/3/10 キャラリンはこの2日、御自宅のログハウスに戻っている。
昨日、ガラス戸のところまでやって来たので、おばあちゃんがミルクとペースト状のご飯をあげたが、臭いを嗅いだだけで、とっとと自室に引き返してしまった。
3月3日に断食に突入して7日、ぼちぼちバカ食いモードに入るころだが、口の中がかなり痛いのだろう。
しきりと手で口を拭い、時には痛みに飛び上がる。
だ液が刺激してしまうのかもしれない。
お腹は空ききっているだろうに、食べることがままならない。
今回は薬を飲み続けながら、症状が悪化してしまった。
痛みの狭間で喰い溜めするしかないのだろうか。
2003/3/8 今日は気持ちよく晴れ渡った。
ウッドデッキに朝の爽やかな陽が射し込む。
木肌の上の、四角く切り取られた陽だまりは、ことの他心地よさそうだ。
ホップスコッチに興じているような猫たちをまぶしく眺めながら、
もうそろそろお別れのコートのボタンを掛けて、
いざ、出勤。
2003/3/6 キャラリンが3月3日の夜から断食モードに突入。
日中はどこで過ごしているのか、ログハウスは藻抜けの空。
neco家の面々が寝静まってから、ひっそりと小屋に戻り束の間の睡眠を取る。
そおっとミルクを差出そうとしても、ガラス戸を開けるわずかな物音に、逃げ出してしまう。
今回は、3週間、たっぷりと食べたので、体力は回復しているが、一体いつまで断食するつもりか…
2003/3/3 チビタは、毎朝毎夕、おばあちゃんにご飯を食べさせてもらっている。
ご飯皿も、チビタ専用の素敵なお皿。
それでも、兄ちゃんたちのように一人で食べてみたい。
時々、自分でご飯に舌を伸ばすが、底が丸い今のお皿では、ご飯はどんどんお皿の外に押し出されるばかり。
違うお皿にして、というおばあちゃんのリクエストで、ままちゃんは、手作りのご飯皿を持ち帰った。黄色い猫に青い鳥が描かれた高級品だ。
家に帰ったときは、もうチビタのご飯は終わっていたから、取りあえず兄ちゃんたちのお皿の列の一番右端、ぬーちゃんのお皿のそのまた右側に置いておいた。
今朝、新しいお皿をテーブルに載せて、チビタにご飯をあげていると、ぬーちゃんが妙な顔つきでじっとそのお皿を見つめているという。
どうやら自分のお皿と思い込んだようだ。
それなら、チビタが使わなくなったお皿をぬーちゃんにあげようと、ぬーちゃんのご飯を入れていつもの場所に置いた。
ぬーちゃんは目もくれない。人一倍気位の高いぬーちゃん。
人のお下がりなど、とんでもない、ということらしい。
2003/2/28 3週間、順調に食べ続けたキャラリンの様子が少しおかしい。
ご飯皿に頭を突っ込んでいるときは、頭も、背中も、ときにはお腹さえ撫でさせてくれるようになってきたのに、
またもオドオド怯えては、ガラス戸を開けると同時に逃げ出すようになった。
何とか食べてはいるし、逃げてもすぐに戻ってくるが、
顔も目も真ん丸な愛くるしい表情が、どんどん尖ってきている。
目も鋭く、キツネ顔に戻りつつある。
また、ラマダンに入るのだろうか。
何としてでもお医者様に連れて行こうと、おばあちゃんは100円ショップでオーブン用の手袋を買ってきたが、「失敗したら、もう二度と戻ってきませんよ」というラブリー先生の一言に、手袋をキッチンにしまい込んだ。
2003/2/25 昨日、necoの朝風呂にファイトの姿がなかった。
どうしたのかと、出がけにログハウスを覗いてみると、
何のことはない、のんびり大きなあくびで見送ってくれた。
ロッキーママにも一声掛けようと、隣の特別室に首を突っ込むと、
全身茶トラの大猫の、「何かご用?」と言いたげな視線に出くわした。
『お友だち』だ。
じゃあ、ママはどこ?
今はベッドも入っていない、空っぽのトラベル・キャリーの中、
ロッキーママがしと降る冷たい雨を見上げながら、雨宿りしていた。
2003/2/22 ロッキーママが何ともおデブになってきた。
チリンチリンと首の鈴を鳴らしては、そこここをパランパラン駆け回るのが好きなママだが、木枯らし吹き抜ける中を遊ぶ気にはならないらしく、お外のお家で丸くなっている時間が長かった。
運動不足は皮下脂肪となって、丸い体が更に一回り二回り大きくなった。
この寒さでは一緒に遊ぶのも億劫で、ままちゃんもママ同様の運動不足。
は〜るよ来い、は〜やく来い。
2003/2/21 このところ、1階組が始終2階にやって来る。
1階組の進出に、らーちゃんは気が気ではない。
夕べは1階組3匹が2階で寝ようとやって来た。
これなら、おばあちゃんも少しはゆっくり寝られるだろう。
と思ったのも束の間、
おばあちゃんが1階組を連れ戻しにやって来た。
やっぱり身近に5匹いないと寂しいらしい。
2003/2/18

おばあちゃんは、朝起きるとすぐに朝風呂に入る。
肥満児数匹を抱えて寝返り一つ満足にうてずにいた体は、お風呂に漬からないと軋んで動かないようだ。
その日課を知っているファイトはお風呂の電気がつくとすぐに窓下にやってきて、早朝の固い空気と一緒にお風呂場に飛び込んでくる。
おばあちゃんがお風呂を出ても、ファイトはそのまま残り、ままちゃん、ぱぱちゃん、ゆうちゃん、全員の朝風呂につき合い、朝ご飯もお風呂で食す。

今朝、おばあちゃんがロッキーママのご飯を持って外に出ると、何と、『お友だち』がファイトのログハウスから出て来た。
戻る家を占領されたファイトは、キャラリンのいる庭先に回る。今日もキャラリンのご飯皿が3つ4つ並んでいる。
「こんなに我がままして…」と半分羨ましく思いながら、キャラリンの食べ残しを失敬しようとしたファイトは、いきなりキャラリンの猫パンチを食らった。

6匹のヤンチャ軍団さえ、一目も二目も置いているファイトだが、どうも女性には弱いらしい。

2003/2/15

キャラリンの胃袋底抜けモードは順調に続いている。
夢中に食べている間は、頭も背中もお腹も撫でさせてくれるようになった。
危険な賭ではなしに、納得づくでお医者様に連れていくことができるようになるかもしれない。次ぎの絶食モード突入までに、そのタイミングが掴めるといいのだが…。

らーちゃんは、先日の去勢の折に、先生から理想的な体格だと誉められた。
肥満児揃いのneco家では、げっそり痩せているように見えて、心配になるほどなのだが。
人一倍食べても太らない。1階組との微妙な攻防戦が災いしているのだろうか。
やはり心配だ。理想的体型が重病人のように見えてしまうneco家の人間の目が変なのかもしれない。
超肥満のぬーちゃんのダイエット相談に行く時に、らーちゃんも連れて行こう。
先生に笑われてしまうかもしれないけれど。

2003/2/13 昨日は週一の貴重なお休み。
お昼の洋画劇場でヒチコックの『鳥』をやっていました。
鳥と言えば宮沢さん。
さて、どうするかと横目で観察。
ところが予想に反して、大軍の鳥が人間を襲う場面には、一向に興味を示しません。
それでいて、鳥が大人しく屋根や手すりに止まっているところでは、食い入るように画面を眺めます。
特撮がちゃんと分かっちゃうんですかねえ、天才、宮沢さんには。
2003/2/10 いよいよキャラリンは猛烈食いモードに突入。
今回の9日間の絶食で失った体力は回復するのだろうか?
キャラリンのお家の前には
キャットディッシュが5つも6つも並んでいる。
2003/2/8 一昨日、ようやくキャラリンが帰ってきた。
顔は目やにで汚れ、満足に開かない。頬もこけてキツネ顔になってしまった。
一週間振りのご帰還は珍しくないが、今回は胃袋底抜けモードがわずかしか続かなかっただけに、ダメージは大きい。
大好きなものをあれこれ差出しても、溢れるだ液で口が痛いのか、口をもぐもぐするばかりで、ログハウスから一歩も出ようとしない。
昨日ようやく鳥のササミを口にした。まぶした薬も効いてくるだろう。
見れば足は折れそうに細くなり、爪研ぎをしながらよろけるほど。
頭を撫でさせてくれるまでになったのも嘘のように、また、ガラス戸を開けた途端に逃げ出す。お医者様に連れていきたいが、成功する確率は限り無く低い。失敗したら、再びここに戻るまでに命の火が消えてしまうだろう。
トライするなら、もう少し元気を取り戻してから。
そう言いながら、今日まできてしまった。
キャラリンとnecoは、どうも間が悪い。
いつもタイミングがずれる。
しっくり来る時がくるのだろうか。
2003/2/6 らーちゃんのカラオケはどんどんエスカレートし、
止まることを知らない。
最早これ以上ご近所にご迷惑はかけられない。
らーちゃんはneco家唯一、去勢をしていない。
去勢したら静かになるのか、因果関係は定かではないが、
去勢断行ということに相成り、昨日病院へ。
らーちゃんのいない家は何とも静かで、
らーちゃんのカラオケ被害の大きさを改めて感じた始末。
ロッキー家の血筋がこれで完全に断たれてしまうと、
ぱぱちゃんは反対を唱えたが、その声は小さかった。

キャラリンが9日振りで顔を見せた。
どんな食事が用意されているか確かめるように眺めて、
結局また姿を消した。
2003/2/4 neco家の6匹兄弟は、些細な事ですぐにパニックになる。
何に驚いたのか、誰が火種か、判らぬまま、
上へ下へ駆け巡る大パニックを起こしたのが2月の1日。
たまたま家の前の道路を歩いていた『ゆうちゃん』が、
その足音に度胆を抜かれたという位の猛烈激烈パニックだった。
臆病なゴンちゃんは、未だに怯えて2階で眠る有り様。
ログハウスを占領しかけた黒トラも釣られて逃げ出し、戻らず。
空のログハウスは、キャラリンの帰りを待ちわびているが、
キャラリンは杳として姿を見せず。
2003/2/1 キャラリンは、一昨日、家出を断行。
留守のログハウスにちゃっかり収まる猫影あり。
見れば、丸々太った黒トラ君。
昨日戻ったキャラリンと鉢合わせ。
黒トラ君を追い返したら、
びっくりしたキャラリンまで逃げ出した。
そのままキャラリンは帰らず、
黒トラ君は再びログハウスで一夜を過ごす…
というお粗末。
2003/1/29 キャラリンが昨日から再び断食に突入。
ログハウスから一歩も出ることなく、小さく丸まっています。
今回のバカ食い期間は1週間しか続きませんでした。
サイクルがどんどん短くなっているようで心配です。
漸く頭を撫でさせてくれるようになったのだから、
騙し騙しお医者さんにも連れていけるかと
話し掛けながら近寄ると
「ハーッ」と噛み付かんばかり。
どうしたものか、またも迷うばかりです。
2003/1/26 朝な夕な、お風呂につき合うファイト爺、
一昨日はお風呂から出たがらず、
一晩風呂蓋の上でねむりました。
オンドルのようなほのかな温かさと
独りの空間が何より嬉しかったのでしょう。
今朝は食事までお風呂の中。
そんな姿を窓越しにロッキーママに見つかり
そそくさと出ていきました。
2003/1/24 昨日は雪でした
ゴミを出しに行くおばあちゃんの後を追ったロッキーママ。
おばあちゃんは、うっかり声を掛けずに家に戻ってしまいました。
はたと気付いて、おばあちゃんが来た道を引き返すと、
ゴミ集積場所に渡る信号のところで
降りしきる雪を体に積もらせながら
ロッキーママがじっと座って待っていました。
2003/1/22 もう限界、
どんな強硬策を講じてでも『キャラリン』をお医者さんへ、
と思った日に、ダメモトで置いた鳥のササミ…
ついに食べてくれました。
絶食開始からちょうど10日目のことです。
目下、胃袋底抜けモードに入っています。
2003/1/19 11日より絶食モード突入の
Neco家の準飼い猫『キャラリン』。
ログハウスには戻ったものの
未だ食べることができずにいます。
お医者さんに連れて行きたいのに
ご飯皿を置くだけで相変わらず逃げ出す始末。
見守ることしかできないのは本当に辛い…