★★★★

夜にみちびかれて

2001年2月20日 第1刷発行
文:ロイス・ダンカン
絵:スティーブ・ションソン&
       ルー・ファンチャー
訳:成沢栄里子
発行所:BL出版株式会社
定価:1300円(税別)
ISBN4-89238-789-4
C8798

3000年以上も人間と暮らしながら、野性を失うことのない猫。その二面性から生まれる神秘は、私たちを魅了してやまない。
私たちの膝で喉を鳴らす猫、夜のしじまを音もなく歩む猫、いずれが本当の猫なのだろうか。本書は、どちらも偽りのない猫の本性であることを伝えてくれる。
室内飼いが増え、いつも身近で戯れ、寛ぐ猫の姿しか、見えなくなってきているが、その猫たちも、夜空が似合うミステリアスな部分を隠し持っている。イメージの中で、今膝の上にいる猫を、星の下に遊ばせてみたくなる。

本書の絵からは、静寂の音が聞こえてきそうだ。独特の輪郭線で縁取られた猫は、エッチングのようにも見え、闇の中に微妙な光りを放って浮き上がる。
猫の胸の内が見事に表現されている目の描写が素晴らしい。

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