★★★★

月へミルクを
とりにいったねこ

1996年2月29日 発行
2000年3月10日 6刷
作:アルフレッド・スメードベルイ
訳:菱木 晃子
絵:垂石 眞子
発行所:福音館書店
定価:1300円(税別)
ISBN4-8340-1292-1 C8798

19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍したスウェーデンの児童文学者、アルフレッド・スメードベルイが1908年に発表した作品。

4匹の子猫を持つ母さん猫は、子猫が元気に大きく育つようにと、牛のミルクをせっせと飲ませていました。ところが、猫たちが暮らす農家の牛のミルクが出なくなってしまいました。子猫たちはお腹をすかせ、痩せる一方。心配顔の母さん猫に、犬が教えてくれます。ミルクは月にたくさんあると。言われるままに月を見上げると、おじいさんとおばあさんがミルクの一杯入った桶を運んでいる姿が見えるではありませんか。母さん猫は月に行こうと、走りに走ります。でも走れど走れど月は逃げていきます。さあ、母さん猫は、月に辿り着くことができるのでしょうか…

最愛の子猫たちのために、必死に月を追い、辛抱強く待つ母さん猫のけなげな姿に、胸うたれるストーリーです。

兎の餅つき、蟹など、映る影にさまざまな空想を巡らして月を眺めていたのは、いつ頃までだったことか。こんな世の中にも変わらずに光りの雫をそそいでくれる月を、あらためて静かに眺めてみたい…そう思わせたのは、青を基調とした絵なのかもしれません。

HOME > 猫本 > 月へミルクをとりにいったねこ