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★★★★

ネコのアリストテレス

2008年10月10日 初版発行
作:ディック・キング=スミス
絵:ボブ・グラハム
訳:石随じゅん
発行所:株式会社評論社
ISBN:978-4-566-01343-8

アリストレテスという名前だなんて、そのネコは哲学するの?一日思索に耽っているのかしら?……いえいえ、とんでもない!
猫には9つの命があると言われていますが、向こう見ずなアリストテレス君、9つの大切な命を次々になくしてしまうのです。
「好奇心は猫をも殺す」と諺にもあるけれど、アリストレテス君は、それを証明しているかのようです。
アリストテレスはおばあさんと一緒に暮らしていますが、どんなおばあさんだと思います?ほうきに乗って、空を飛べるんですよ。
そう、そんなおばあさんと一緒にいるのは、黒い猫と相場が決まっています。でも、アリストテレスは、真っ白な猫。
名前といい、毛色といい、予想に反してばかりのアリストテレス君とおばあさんの物語、どんな結末を迎えることやら……

ハラハラ、ドキドキの連続で、そのままアニメーションになりそうなストーリーだが、ふんわり、ほのぼのと読んでいけるのは、細いペンと淡い色合いで描かれたイラストのためかもしれない。翻って、原色が主体となることの多いアニメは、インパクトは強いが、知らず知らずに心を硬化させてしまっているのではないだろうか……などと考えてしまう。
アリストテレスが魔女のおばあさんに助けられながら、一つ一つ学び、成長していく姿は、人間の子どもたちの成長の足取りにオーバーラップする。ここに登場する魔女のような母であれば良かったなあ……とも思ってみたり。孫を授かったら、魔女になれるよう、頑張ろう!


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