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齋藤清という版画家の存在を知ったのは、恥ずかしながら昨年の終わりのこと。 海外のサイトをネット・サーフィンしていて、K. Saito の猫の版画を見つけたのがきっかけだった。太いシンプルなラインで描き出された二匹の猫は、鮮やかなブルーの地から這い出すような迫力があり、息をつめて何かを見つめる二匹の胸の鼓動まで聞こえてきそうだった。その画風はモダンで、漠然と抱いていた日本の版画のイメージから掛け離れたものだった。
氏の作品は、海外でも評価が高いのだが、その一因は時代背景にあるようだ。戦後復興期、駐留米国軍人は、手頃で時代にマッチした氏の作品に目を留め、競って蒐集したという。アメリカで今も氏の作品が多数流通しているのも頷ける。 齋藤清と言えば、ライフワークでもあった『会津の冬』シリーズに代表されるのだろうが、その中にあって、なぜか猫の作品がたくさんある。もともとは猫に特別な関心はなかったようだが、友人宅で出会ったシャム猫が、氏の心を捉えてしまったという。しなやかな体の線、青く澄み強い視線を送る目……アーティストの例に漏れず、氏も強くインスパイアされたのだろう。氏は友人から猫二匹を譲り受け、以来、彼らはモデルとなり今も作品の中で生きている。 氏が特に惹かれたのは、「目」だったと見え、「凝視」「目」と題された作品が目立つ。猫の目に何を見たのか、氏の犬の作品と見比べてみると興味深い。 |
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氏の猫の作品は高価でもあり、流通も少なく、簡単には手に入りそうもない。いずれ是非ともと願いながら、当面は、アート・プリントで我慢することにした。齋藤清美術館にさっそく発注。額装されたプリントが届いた。
以下、国内外のサイトで見つけた斉藤清の猫をご覧入れよう。 |
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